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チャリティーマッチ前日練習後のJリーグ選抜選手コメント

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 「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」(29日、長居)で日本代表と対戦するJリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」は28日、試合会場の長居スタジアムで公式練習を行った。練習前には選手全員で募金活動も実施し、直接サポーターに募金を呼びかけた。
以下、練習後の選手コメント

●FW三浦知良(横浜FC)
―練習の雰囲気は?
「普通ですね。いつもと変わらず。リラックスした雰囲気でできた。みんな知っているメンバーだし」
―戦う雰囲気になってきた?
「そこまでピリピリしたムードはない。リラックスしている。みんな慣れているんじゃないですかね。試合の状況になれば全力を出せる、持っていける自信がある選手ばかりだから、グラウンドに立てばガラッと変わると思う」
―たくさんのファンが来ていたが?
「チャリティーマッチということで代表もJリーグ選抜も練習を公開にして、みんなの協力を得て、たくさんの人が来てくれた。サッカーの力は大きいなと感じました」
―募金活動も行ったが?
「みんな僕らに『よろしくお願いします』と声をかけてくれた。みんなが現状をしっかり受け止めて協力してくれている。子供から大人まで全員が一つになってやろうとしていると思う」
―サッカーの力をあらためて感じた?
「これだけの人が集まって、協力しようと思う。世界を見ても、欧州、南米でも被災地へメッセージを送っている。ブラジルでも、フラメンゴやコリンチャンスがユニフォームに日本語で『頑張れ』というメッセージを書いている。サッカーのスケールの大きさ、懐の深さを感じている」
―チームメイトは「カズさんに点を取ってほしい」と話しているが?
「今日の募金活動でもファンの人から『ゴールが見たい』『ゴールを決めてください』という声をかけられた。勝ちたいし、勝つためにはゴールしないといけない。仲間がそう言ってくれるなら、そういう働きをしたい。全力を尽くして、少しでも(ゴールに)近づけるように頑張りたい」
―ゴールを決めたらカズダンスもやる?
「やってもいいんじゃないかな。いろんな意見はあると思うけど、やるというのも一つの選択肢としてあっていいと思う」
―集まってみてチームの雰囲気は?
「グラウンドに出てサッカーをやり出せば、みんなサッカーが大好きなサッカー小僧だから。いい雰囲気でできたと思う」
―日本代表との試合となるが?
「年齢のことはあまり言いたくないけど、44歳になった今でも日本代表はあこがれのチーム。常に代表のユニフォームを着たいと思ってやっているし、その相手とやれる。自分が代表としてやるのと同じぐらい、敵としてやるのも楽しみに思っている」

●FW佐藤寿人(広島)
「みんなで考えを一つにしてやっていきたいし、やることはたくさんある。選手はシーズン中より考えることができたと思うし、このあとは(かつて住んでいた)仙台に足を運ぶことができるから実際に被害に遭われた方々に会いに行くこともできる。今が復興のスタートだと思う。日本でも今までいろいろなことが起こったけど、必ずそれまで以上の発展を遂げてきた。今回は日本だけじゃなく、世界中がこの状況をサポートしてくれているし、しっかり目をそらさずに立ち向かっていきたい」

●FW大久保嘉人(神戸)
―練習は1回しかできなかったが?
「闘莉王は普段はああいう練習はしないと言っていた。面白かった。ボールを回しながらリラックスしてできた」
―明日の試合でどんなプレーを見せたい?
「全力であきらめないプレーをしたい。自分たちはこれしかできない。そういう中で一人ひとりがあきらめない気持ちを伝えることができれば」

●FW原口元気(浦和)
―そうそうたるメンバーと練習をしてみてどうだった?
「感激しました。いろいろな人とサッカーをできてうれしかったし、明日、この素晴らしい人たちと試合をできるのでワクワクしてきました」
―どんなプレーを見てもらいたい?
「ガチでやると思うので、スタメンで出ることはないと思うけど、後半(相手が)疲れ
ている状況で、0-0のようなスコアで出られたら点を取りにいくプレーをしたいし、負けていたとしてもドリブルを仕掛けてみたいです」
―監督から戦術面について指示は?
「練習でも守備の確認をしましたし、チームが勝ちにいくんだなという気がしました」
―すごいメンバーの一員になった。
「全然です。あいつ全然馴染めていないんじゃないかというのが、外からでも分かるくらい馴染めていないんですけど。でも試合になったら別なのでしっかり要求して、チームの一員としてプレーしたいです」
―練習前には募金活動もやった。
「こういう選手たちになればこれだけの人を呼べるようになる。自分はまだそういうプレイヤーじゃないので、そういう選手になっていきたいという気持ちになった。最年少なので、ドキドキしながらですが頑張ります」

●MF小笠原満男(鹿島)
―あすの試合への想いは? 被災地の方へも行かれましたが……。
「みんな本当に苦しい状況の中で一生懸命、欲しい物が手に入らなかったり、水が出なかったり、電気が通らなかったり、家をなくしたり、親をなくしたり、っていういろんな状況の人がいると思うんですよね。疲労もあるだろうし、ストレスもそうとう抱えていると聞いている。そういう人たちの中にはサッカーを楽しみにしてくれている人もいると思うので、前向きにひたむきに一生懸命プレーしている姿を見てもらいたいと思っています。やるからには勝ちたいし、みんなが一生懸命やっている姿をみて、いいゲームだと思ってもらえるようなゲームをしたいです」
―実家のある岩手の被災地に訪れています。大船渡市だけでなく、陸前高田市も行かれた。
「妻の実家があったのもあったので。子供も一緒? 家族みんなで行きました。何かある時にはみんな一緒が良かったので。鹿島も被災地と言えば被災地ですし。子供たちもじっと見ていましたね。何も言わずに。何かを感じたんじゃないですかね。水、電気、ガスがないところで生活をして、そういうありがたっさとかを感じたと思うし、子供にとっては、貴重な経験というか、貴重という言葉がいいかどうかは分からないけど、子供にとってもいい経験だと思っています」
―現地まで行くのも交通の面で大変だったと思うが。
「居ても立ってもいられなくて、行かなくて後悔するのは一番嫌だった。困っている人がいたら助けたいし、何か出来る事があるのかなと思って。それをこれからどんどん形にしていけたら言いなと思いますね。本当にいろいろあると思うんです」
―いろんな支援を考え、アイデアを出しているようだが?
ているようだが。
「チャリティーマッチとか、オークションをやって得たお金は、赤十字とかを通して国全般に行っているけど、それを(復興支援が)だいぶ落ち着いたら、サッカーの復興に(お金を)かけていきたい。カズさんとか俊輔、中澤佑二も賛同してくれた。また少年たちにサッカーを始めてもらいたいし、それにはグラウンドが必要。そのためにはお金が必要なので」
―試合ではどういうプレーを見せたいですか?
「みんなに楽しくやっている姿を見せられたらと思う。僕らが苦しそうにやっても意味がない。僕らが良い話題を提供できればと思う。やるからには勝ちたいと思います」
―(テレビ取材後、自ら申し出て、支援を呼び掛けた)
「被災地ではテレビを見えない人がけっこう多い。電気もなくて、テレビもない人がいる。できるだけ多くの人に見てもらえるように、体制を整えてもらえたらと思います。何か考えてもらって、できれば協力してください。避難所に小さなテレビを持ち込むとか……。まだ電気もないし、家もテレビもないひとがいっぱいいます。よろしくお願いします」

●MF小野伸二(清水)
―試合に向けてメンバーが集まって初練習。あすはいよいよ試合だが、雰囲気は?
「みんなね、すごく明るくやっていたと思うし、こういうチームでできることはなかなかないので、楽しんでやっていた。今日はすごくリラックスしていたので、まだ戦闘モードになっていないと思うけど、これから明日に向けてしっかりと休んで、明日のイメージトレーニングをして、という感じです」
―募金活動にはファンも喜んでいた。
「今日も募金活動で、たくさんの人たちに募金箱にお金を入れてもらって、うれしかったとともに、それが東北の人たちの力になればいいと思いますね」
―どんなプレーで喜ばせたいですか?
「とにかく楽しんで、もちろん結果もすごく大事だと思うし、楽しみながら、周りを楽しませられるようやっていきたいですね」
―顔見知りの多い代表とやるのは楽しみでは?
「やったことのある選手ばかりなので、楽しみですね。(Jリーグ選抜は)きょう1回やったばかりで、うまくいくかは分からないけど、試合の中でうまくやっていきたいですね」

●MF関口訓充(仙台)
「震災から4日目の朝に山形空港から東京に入ることができた。ガソリンもなくて、行けるところまで行こう、途中で切れたらしょうがないと思っていたけど、ガソリンが切れずに山形空港まで行けて、運もあったのかなと。弟も仙台にいたので、一緒に連れて行った。17日ぐらいから走り出したけど、ボールは24日からしか触ってない。ほんと動いていただけ」
―コンディションが良くない中での試合だが?
「被災したチームでコンディションのいい選手はいないと思う。その中で自分に何ができるか考えたい。コンディションが良くても、見ている人に伝えられないこともあるし、逆にコンディションが悪い中でも伝わることはあると思う」
―プレーできる喜びはある?
「喜びというか、複雑です。ただ、チャリティーマッチのメンバーに選んでもらって、自分にできることはピッチに立つこと。1人でも多くの人に元気を与えられたらと思う」

●MF梁勇基(仙台)
「明日の試合を通じて1人でも2人でも多くの人が頑張ろうと思ってもらえるように精一杯プレーしたい。ボールを最後まで追うとか、選手として当たり前のことをやって、一緒に頑張っていくんだということを伝えたい」
―練習前には募金活動も行ったが?
「あんなにたくさんの方が来ると思わなくて、ありがたい気持ちでいっぱいです。ますます明日の試合を頑張らないといけないと思った」
―選手からは何か言われた?
「チームのこと、自分のことを気にかけてくれる先輩、選手がいたのでありがたかったです」

●DF中澤佑二(横浜FM)
―募金ではファンに丁寧に対応していた。ファンも喜んでいたが。
「僕たちがいまできることは、あいいう形。サポーターの方に募金をしてもらって、感謝の気持ちを表したかった」
―代表が試合相手になります。
「世間の人は代表が勝つことを望んでいるかもしれないけど、空気を読まないでやります。勝つことにこだわりたい」
―勝負にこだわる?
「グラウンドレベルでみんなとも話しましたが、明日こういった形で試合があるけど、とにかく勝とうと。他の選手に聞いても、勝とうという声が多かった」
―あしたの試合について意気込みを。
「いつも通りのプレーをみせたいですね。僕らが試合をすることで、サッカーに興味がない人も被災者の方々のことを思ってくれたら。明日試合をやる意味を、僕たちも感じながら良い試合ができればと思っています」

●DF駒野友一(磐田)
「一生懸命やるプレーを見てほしい。まずは勝つこと。その中でいろんなパターンで攻撃できればと思う。中盤にボールを持てる選手もたくさんいるので。一生懸命やることもそうだし、あきらめずに戦うところも見てほしい。お互い真剣勝負になると思う」

●GK楢崎正剛(名古屋)
―Jリーグ選抜のメンバーが豪華だが?
「面白いんじゃないですかね。(代表と)比較することはできないですけどね」
―守備の確認もしっかりやっていたが?
「ちゃんと戦うということが僕らにとって大事。お祭りじゃないので」
―ミーティングは?
「昨日の夜にやりました。そんなに細かい話はないですけどね。守備の確認はチームではボードでやっているようなことだけど、今回は練習が1回しかないから意識づけようということだと思う」
―代表チームの方の今回の難しさは理解できるか?
「でも元々、親善試合の日程が組み込まれていたし、相手は違うけど、そんなに違いはないのではないか。特別な状況だし、モチベーションが低いとは思わない」

●GK川口能活(磐田)
「日本はアジア王者だし、そのチームと対戦できることがうれしい。Jリーグ選抜にとっては、代表を目指すアピールにもなるし、タフなゲームになる。勝ちたい」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

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