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[CL]ベスト8各チームのSB事情

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 日本代表の両SB内田篤人(シャルケ04)と長友佑都(インテル)が、揃って欧州CLの準々決勝に進出するという快挙を達成した。近年は人材難が叫ばれているSBにあって、今回の件は日本サッカー界にとって偉業と言ってもいい出来事かもしれない。そこで、欧州CL準々決勝進出各クラブのSB事情を探ってみたい。

●R・マドリー(スペイン)
右SBはスペイン代表のレギュラーとしてEUROとW杯の2冠を経験しているセルヒオ・ラモス。左SBはブラジル代表マルセロ。右SBの控えはラウール・アルビオルが務め、左SBはアルバロ・アルベロアが務める。なお、アルベロアは右SBもこなすことができる。S・ラモス以下、R・アルビオル、アルベロアと3者がスペイン代表で、自国のトップクラスを揃えている。

●トッテナム(イングランド)
右SBのスコットランド代表アラン・ハットンが負傷中。そのため、現在はバックアッパーのクロアチア代表右SBベドラン・チョルルカが代役を務めている。左SBはカメルーン代表左SBベノワ・アス・エコットが務めるが、現在世界最高の左サイドとの評価もあるウェールズ代表ガレス・ベイルもSBをこなせる。

●チェルシー(イングランド)
右SBはポルトガル代表ジョゼ・ボシングワにセルビア代表ブラニスラフ・イバノビッチが控えており、左SBは不動のレギュラー、イングランド代表アシュリー・コールが君臨する。さらに控えにはポルトガル代表右SBパウロ・フェレイラ、ロシア代表左SBユーリ・ジルコフと実力者が並ぶ。

●マンチェスター・U(イングランド)
元イングランド代表ガリー・ネビルが引退した右SBは現在、アイルランド代表ジョン・オシェイやブラジル代表ラファエウ・ダ・シウバが務めるほか、CBの元イングランド代表ウェズ・ブラウンも右SBを務めることができる。左SBはフランス代表パトリス・エブラ。バックアッパーには左SBのブラジル人ファビオ・ダ・シウバが控える。

●バルセロナ(スペイン)
右SBにはダニエウ・アウベス、左SBにはアドリアーノ・コレイアのブラジル・コンビがデュオをを組む。左SBの控えには同じくブラジル人のマクスウェルが控えるほか、フランス代表CBのエリック・アビダルも左SBが本職。一方、不動のD・アウベスに頼り切りでバックアッパーが心細い右SBは、不測の事態にスペイン代表CBカルレス・プジョルがその穴を埋めることも。

●シャフタール(ウクライナ)
両SBともに不動で、右SBはクロアチア代表ダリオ・スルナ、左SBはルーマニア代表ラズバン・ラツがそれぞれ務める。控えの右SBバシリー・コビン、左SBビアチェスラフ・シェフチェク(ともにウクライナ代表)らは前任者のレベルに及ばないのが実情だ。

●インテル(イタリア)
右SBは現在、世界最高と謳われているブラジル代表マイコン、左SBはルーマニア代表クリスティアン・キブが務める。日本代表長友佑都は両SBをこなせるとはいえ、当面の目標はキブからポジションを奪うことになる。他の列強に比べてサイドの層はいささか薄く、両SBに不測の事態が起きた場合は37歳の大ベテラン、アルゼンチン代表ハビエル・サネッティに頼らなければならない。

●シャルケ04(ドイツ)
右SBは我らが日本代表内田篤人が移籍1年目で堂々とレギュラーを務める。左SBはドイツ代表ルーカス・シュミッツが務めるが、流動的でガーナ代表ハンス・サルペイやスペイン人エスクデロ・セルヒオが務めることも。また、ドイツ代表ベネディクト・ヘベデスはCB・両SB問わず複数のポジションをこなすことができる。

なお、国別にみると上記の紹介文で名前が出た選手の内訳は以下のようになっており、SB大国ブラジル、世界王者スペインの2強の充実度が分かる。そのほかではクロアチアとルーマニアの健闘が目立つ。なお、ブラジル以外の非欧州勢でここに2人以上の選手の名が載った国は日本のみとなっており、大健闘といえるだろう。

ブラジル7
スペイン6
ドイツ2
イングランド2
ルーマニア2
日本2
クロアチア2
ウクライナ2
ポルトガル2
セルビア1
ロシア1
アルゼンチン1
アイルランド1
フランス1
ガーナ1
スコットランド1
カメルーン1
ウェールズ1

(文 宝田雅樹)

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