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名古屋、初勝利。金崎の2得点などで4-0快勝

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[4.12 ACL第2節(延期分) 名古屋4-0アルアイン 瑞穂陸]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は12日、東日本大震災の影響で延期されていたグループリーグ第2節を行い、グループF最下位の名古屋グランパスは、ホーム瑞穂陸上競技場で同3位のアルアイン(UAE)と対戦した。負けられない一戦だったが、右MFに入った金崎夢生が2得点の活躍を見せ、名古屋が4-0で勝利。初白星で勝ち点を4に伸ばし3位に浮上した。直接対決の結果で3位だが、勝ち点は2位の杭州緑城(中国)と同じで、得失点差は3上回った。

 名古屋はFW玉田圭司が右膝痛のために欠場。6日のACLグループリーグ第3節・FCソウル(韓国)戦に続いてU-22日本代表FW永井謙佑が先発した。システムは永井に合わせて4-4-2を採用。GKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。ダブルボランチは小川佳純と中村直志、右MFは金崎夢生、左MFは藤本淳吾が入った。2トップはケネディと永井謙佑が組んだ。

 アルアインは元FC東京監督のガーロ監督が指揮を執るチーム。システムは4-5-1で、トップ下に入った背番号「10」ラミ・ヤスラムを中心にショートカウンターなど、縦に速い攻撃を狙ってきた。

 ともに勝ち点1で迎え、決勝トーナメント進出には負けられない一戦。序盤、名古屋が決定機を作った。前半3分、右からの田中のクロスに中でケネディが競り、こぼれたボールを小川が右足でミドルシュート。フリーで放ったが、わずかに上でクロスバーをかすめた。

 その後、アルアインが出足の速い守備と縦への速い攻撃で名古屋に襲いかかった。少し遠目からでもゴールを狙って来る姿勢に、名古屋守備陣は戸惑った。そして前半27分、ショートカウンターからスルーパスを通され、PA右からMFアリ・アハメド・アル・ウェハイビにシュートを放たれる。これは何とかGK楢崎がセーブした。

 ピンチのあと、すぐさま名古屋が反撃。貴重な先制点を奪った。前半27分、右サイドから藤本がサイドチェンジ。PA外左で受けたケネディがうまくスルーパスを通し、金崎夢生が抜け出した。ドリブルで左前に持ち出して左足を一閃。落ち着いてゴールネットに突き刺し1-0リードを奪った。

 その後、一進一退の攻防が続く。中盤でパスをつなぐ名古屋に対し、アルアインは奪ってからの速い攻撃でゴールを狙った。前半38分、名古屋は左サイドを仕掛けられてクロス。ファーサイドに通され、最後はMFエリアス・リベイロにフリーで左足シュートを放たれたが、これは運良く枠を外れた。

 ピンチのあとに、再び名古屋がチャンスをつかんだ。前半のロスタイムに突入した47分、左サイド、阿部からのクロスに金崎夢生がニアに飛び込んでヘディングシュート。ゴールネットを揺らし、大きな追加点を奪った。すぐさま前半終了の笛が鳴り、名古屋が2点リードで折り返すことに成功した。

 後半、アルアインはFWバレンティン・バデアに代えてMFバンダル・アル・アーバビを投入。名古屋はメンバー変更なくスタートした。開始5分、左サイドで金崎が縦パスに抜け出しGKと1対1に。ハットトリックのチャンスだったが、右足のシュートは飛び出してきたGKに阻まれた。

 後半14分、名古屋はPA右を相手に回され、最後は横に流されてミドルシュートを打たれたが、これはGK楢崎が好セーブで防いだ。その1分後、名古屋が好機を得る。右サイド、田中がドリブルで仕掛けてクロス。ファーサイド、永井が右足でボレーシュートを放ったが、これはミートに失敗し、右に外した。

 しかし、後半16分、名古屋がラッキーな形で追加点を奪った。右CKのチャンスで、中央で田中マルクス闘莉王が飛び込み頭を合わせる。これは右に外れたが、タッチライン際で増川が右足で折り返すと、アルアイン選手に当たりゴールイン。オウンゴールで3-0と突き放す1点を加えた。

 名古屋は後半19分、金崎に代えてMF吉村圭司を投入。吉村がボランチに入り、小川を右MFに回した。この時間帯、システムも4-5-1気味にシフト。トップ下に藤本が入り、左MFに永井が入った。後半28分、名古屋は左サイドを永井が持ち味の快足を活かして突進。相手DF2人を抜き去ってクロスを入れる。藤本がフリーで頭を合わせたが、上に外してしまった。

 だが、藤本は“リベンジ”に成功した。後半32分、自らのドリブル突破でPA正面でFKを奪う。この際、藤本を倒したDFファリス・ジェマーは一発レッドカードで退場となった。そして藤本自らキッカーを務め、壁の上を射抜くビューティフルキックでゴール左上へ叩き込んだ。藤本の移籍後初ゴールは、ダメ押しの4点目となった。

 名古屋は後半37分、一気に2人を入れ替える。中村に代えてMF吉田眞紀人を、小川に代えてMF磯村亮太を送り出した。短い時間ながら若い選手がしっかりとした戦いを見せ、名古屋はこのまま逃げ切りに成功。負けられない一戦で4-0の快勝をつかみ、グループFの3位に浮上した。

 試合後のテレビインタビューでストイコビッチ監督は「本当に勝ち点が欲しかったので、その部分ではとても満足している。この勝ち点は我々にとって、取らないといけないものだった」と安堵の表情を浮かべた。次節、4月20日には敵地で首位のFCソウルと対戦する。指揮官は「ソウル戦、ぜひ勝ちたいと思っている。一週間あるのでしっかり準備して、英気を養って、次のゲームに備えたい」と意気込んだ。

(文 近藤安弘)

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