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「八百長事件」の裁判が5日に再開

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 09年11月にドイツ警察はヨーロッパ9ヵ国で200試合で八百長をした、あるいは八百長を企てたとしてアンテ・サピナ(35)を含む17人を逮捕しているが、この事件に関する裁判が5月5日に再開する。

 アンテ・サピナは、05年に起きた「ドイツ最悪の八百長事件」でも逮捕されていた人物で、このときの裁判では八百長組織を率いたとして2年11ヵ月の禁固刑を受けていた。
「ドイツ最悪の八百長事件」は、元審判員のロベルト・ホイツァーが、主にブンデスリーガの2部、3部の試合などで試合の捜査をする見返りに金銭やプラズマテレビなどを受け取っていたことが明るみに出た事件で、ホイツァーは禁固2年5ヵ月の実刑判決を受けた。この事件でホイツァーに八百長を持ちかけたのがサピナで、2年11ヵ月の禁固刑を受けた。

 その後服役して釈放されたサピナだったが、09年11月、兄のミラン・サピナや他の仲間と共に、ブンデスリーガの下部リーグで八百長をした容疑で再び逮捕された。UEFAの関係者が当時「氷山の一角」と語っているように、その他の各国リーグでも同様の八百長を仕掛けていたと見られている。
 サピナの容疑はヨーロッパで47の試合を不正に操作したというもので、この中には欧州CLやW杯予選などの試合が含まれている。サピナたちには52の嫌疑がかけられているが、その中には本人も選手に賄賂を払ったことを認めた例もある。裁判で明らかになったケースでは、W杯南アフリカ大会の予選ですでに敗退が決まっていた2ヵ国、リヒテンシュタイン対フィンランドの09年に行われた試合で、5万ドルの賄賂で審判を買収。後半に2得点入るよう審判に要請したとされている。結果は後半に2得点が入る展開で、1得点は疑惑のPKで挙げられたものだった。アンテ・サピナは先日、保釈金を払って保釈されているが、裁判はこれからも続く。

 サッカーに関する八百長事件を追ったノンフィクション『黒いワールドカップ』において、著者のデクラン・ヒル氏は、アンテ・サピナの兄で共に逮捕されているミランを直撃している。05年の事件にかぎらず、アジア、欧州サッカーなど世界中の八百長事件を追ったデクラン氏の足跡は同書に詳しく書かれている。

★『黒いワールドカップ』についてはこちら(外部サイト)

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