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岡田ジャパンコーチ対決はF東京が4発快勝

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[5.28 J2第14節 京都1-4F東京 西京極]

 28日、J2第14節2日目の4試合が行われ、京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では京都サンガF.C.FC東京が激突。F東京がMF田邉草民の2ゴールなどにより、4-1で快勝した。

 京都の大木武監督、F東京の大熊清監督はいずれも10年W杯南アフリカ大会において、岡田武史前日本代表監督のもとでコーチを務めていた存在。ともに有力なJ1昇格候補ながら、今季のF東京は2勝、京都はわずか1勝と不振が続いている。勝って弾みをつけたい両チームによる注目対決は、F東京が今季最多の4ゴールで制した。

 試合は前半14分、F東京のMF梶山陽平と田邉のコンビが魅せる。左タッチライン際でボールを持った田邉が飛び込んできたDFをかわして梶山にパス。対面したDFの足下を抜いて前進した梶山は、PAまで侵入してから左横を駆け上がった田邉の前方へボールを送る。これを田邉が中央へ折り返すと、梶山が難なく右足で先制ゴールを流し込んだ。

 一方、京都は20分、左サイドへ流れながらボールをキープしたMF中村充孝が右後方へ落としたパスを、MFチョン・ウヨンが左足シュート。GKの弾いたボールをMF内藤洋平が左足で叩き込み、同点に追いついた。過去5試合で1ゴールだった京都にとっては待望の1点。だが喜んでいられたのはわずかな時間でしかなかった。

 勝ち越しのビッグチャンスを相手GK権田修一の好守に封じられた京都に対しF東京は30分、MF大竹洋平の右CKにフリーで走りこんだ田邉がドンピシャのヘディングシュートを決めて再びリードを奪う。本来はCKのセカンドボールを拾う役割だったため、ゴール前ではなくやや下がり目に位置していた田邉だったが、完全にフリーだったことから大竹とアイコンタクト。「いいボールを蹴ってくれた」と先輩MFに感謝した一撃がJ初ゴールとなった。

 こちらも得点力不足に悩まされていたF東京にとっては、今季8戦目で初の1試合2得点。ようやく壁を破ったF東京はさらに京都のミスを突いてリードを広げる。37分、相手のクリアミスを狙っていた大竹が左足ダイレクトシュートでゴールを破り3-1。後半13分には田邉がFWロベルト・セザーとのワンツーから試合を決定付ける4点目を決めた。

 京都は全体的にスペースを突く動きが少なく、集中力を欠いたようなミスも重なった。負傷をおして後半途中までピッチに立ち続けたMF秋本倫孝の奮闘も実らず今季最多の4失点。18位から浮上することはできなかった。一方、F東京は巻き返しへ向けて大きな勝ち点3獲得。田邉は試合後のインタビューで「いいサッカーできて勝てた。これからもっといきたい。これをきっかけに順位を上げていきたい」。昨年途中から一足早くJクラブの監督に復帰していた大熊監督率いるF東京が、今季大木監督の就任した京都に快勝。昨年のJ1最終戦でJ2に突き落とされた西京極で勝ち点3を獲得した。
 
(文 吉田太郎)

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