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本田が「システムに固執し過ぎ」と苦言

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 見ていて感じた。「みんな窮屈そうにやっているな」

 ペルー戦の後半開始から出場し、4-2-3-1のトップ下でプレーしたMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が、3-4-3で戦った前半をそう振り返った。

「窮屈そうなのは、新しいシステムだったということ。それと、Jリーグでこのシステムをやっているところがなく、選手のほとんどが初めてやるシステムの中で、どういうところでボールを受けたらいいのか(がハッキリしなかった)」

 本田の言うように、ペルー戦は先発メンバー11人中7人がJリーグ勢で、J1では広島を除く17チームが4バックを採用している。慣れないシステムであるということは明白だ。

 だが、問題はそれだけではない。

「いわゆる、型にはまっている。サッカーは人がいるところじゃないとボールを受けれないし、3-4-3のところにいれば攻撃ができるというわけではない。なのに、どの状況でもその形を保とうと思うことがみんなの意識に出ていて、気持ちよくプレーできていない。本来、初めて出た選手はもっといいところがあると思うのだが、その出し方がまだ整理できていないかな」

 欧州に移籍して4年。オランダとロシアという2つのリーグ、そして欧州CLやELを経験し、さまざまなスタイルに対応する力をつけてきた本田だけに、「逆にうまくいかないと思えたことが収穫だったのではないですか」との言葉にも重みがある。

 システム論が前面に押し出されがちな日本のサッカーシーンに対しても、苦言を呈した。

「メディアもそうなんですけど、まずはそのシステムに固執しすぎなんですよ。別に何でもいいんですよ。サイドをやっても選手が中に入ってボールを受けた方がいいのだったら、そこにずっといるべき。だから、その話はもうやめにした方がいいと思いますよ。いつまでたっても数字の話をしていても前へ進まない」

 ここまで一気に話した後はスピードを緩め、報道陣の顔を見ながら笑みを浮かべて言った。「そこは、ね、一緒に成長していければ」。本田の成長意欲はとどまるところを知らない。

(取材・文 矢内由美子)

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