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U-17W杯日本代表メンバー発表、吉武監督会見要旨

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 3日、U-17日本代表の吉武博文監督が今月18日に開幕するU-17W杯メキシコ大会に出場するU-17日本代表21名を発表した。U-17W杯でジャマイカ、フランス、アルゼンチンと戦う日本。吉武監督は21名のメンバー選考、対戦国との戦い方についてなど語った。
以下、U-17日本代表・吉武監督会見要旨

「2年前にチームを立ち上げて(もうW杯で)早いなと思っている。立ち上げから目標としては(W杯の)ファイナリストになるということで2年間取り組んできました。いよいよ予選を勝ち抜きまして世界へいくということで、すごく楽しみにしている。確率的にはそんなに高くないと思うが、ファイナリストになっていくということで取り組んできたので、経験値を上げるという意味でも(決勝までの)7試合できたらなと思っている。7試合できれば彼らのサッカー人生にもっともっとプラスになっていくんじゃないかなと思っている」

―この世代の特長は?
「立ち上げ当初から『94JAPAN』ということで94年生まれ以降の選手たちで、ということで一体感をもってやってきた。呼ばれても呼ばれていなくても全ての選手で戦おうということで、突出した選手はいませんので、みんなで戦っていくことがストロングポイントなのかなと。ひとりふたり代わりの選手が出ても、(多少は)痛いですけれども全体にはそれほど影響がないと思っている」

―どのようなサッカーを
「2年間取り組んできたのは全員攻撃・全員守備をして『共鳴する』というコンセプトを貫いていけたらなと思っている。緒戦のジャマイカ戦は乗せたら怖いチームだと思うので、どれだけ歯車を狂わすことができるか。そのためにはわれわれのやるべきことを自信を持ってやっていこうと。フランスに関しては組織力に定評のあるチームですし、過去には世界大会でもU-17で痛い目にあっている。日本として、U-17として何とかリベンジしたいと考えている。組織的な相手の攻撃や守備を阻止する崩すというところができればと思っている。個の強いアルゼンチンに関しては昨年度の8月に豊田国際で対戦しています。そのとき0-0、PKで負けると言う結果がありました。ですから、今回はそのとき出ていたメンバーもいますので、強い気持ちがたぶんあると思います。リベンジしたいという気持ちがあると思いますので、1年でどれくらい我々が成長したのか、アルゼンチンの選手たちがもっと成長しているのかということを見せれたらなと思っている」

―キャプテンは?
「岩波です。ほとんど特定のキャプテンを決めていなくて、1次予選のとき、最終予選のとき、そして世界大会のときにキャプテンを決めているという感じです。彼は特に世界大会への強い気持ちを持っていると思います。できるだけ7試合やりたいと気持ちをすごく持っている。ディフェンスの選手なので後ろから声かけながら、ピッチの中で問題解決してほしいので岩波中心に今(状況が)どうなっているか感じてほしい。前がかりなのか、少しライン下げた方がいいのか、ベンチが言わなくても選手の中で感じてやってもらいたい」

―プロ野球選手の父を持つ高木選手について
「21人どういうメンバーの選考かというと、チームにとって有益な集団と言うことで選びました。それぞれにいいところがありますしもちろんウィークポイントもあります。全てできる選手だったらすでに日本にいないと思うんで、どこかに高く買われていると思うので、できることもあればできないこともある。チーム全体として有益だということで高木含めて選ばせてもらいました。高木に関しては元気者なので、雰囲気、ムードを高めて欲しい。(彼は)どこのポジションもできる。代表ではディフェンスをやっていますが、チームではFWをやっているし、中盤もサイドもできる。ボランチもやったことがあります。他の選手も大体ふたつか、みっつのポジションをこなすことができるようになっている。最初にも言いましたけど、全員で全てのポジションをカバーしあいながらその中で自分たちの一番いい形に持って行こうというような方向でやっている」

―アカデミーの松本選手については
「昔は小さかったんですけど、大きくなって。全てを上手くこなすことができて、ゴール前の得点感覚がある。ワンタッチでシュートするというのも持ち味。最終予選の北朝鮮戦で点を取っている選手です」

―一番点を取っているのは
「南野です。でも誰がエースということはないので、点をたくさん取っているからレギュラーかというとやってみないと分からない。ですので、この選手が中心というのはないです」

―鈴木武蔵選手はコンディションを落としていたようだが、世界で戦う上で問題ないという判断か
「はい。昨日も見てきましたし。骨折をしていましたが、もう元気になりました」

―(これまでDF登録だった)鈴木隆雅選手がFW登録になっているが
「14歳から見続けて来て彼には謝ったんですけど、その当時は『FWはないから速いし強いしディフェンスをやってみないか、CB、SBはどうだ』と言っていまして。今、チーム全体を見ましてSBが高い位置を取るという感じでやっている。SBが高い位置というのはトップの選手にほとんど近いんですよ。そのときに隆雅君のビルドアップははっきり言ってそれほど(上手く)ない。でも前に向かっていく圧力と言うか、そのところは非常にあるんで、それをもっと出させるためにはどこかということでゴールへ向かうパワーを使ってもらおうということで前に。でも(本番では)CBで使うかもしれません」

―他の年代はCBの身長が高くないが、この年代は高いですね
「たまたまです(笑)。岩波君だけですね。中学時代にやってたのは。あとはみんなコンバート。GKもいいし、ディフェンス面はかなりいいんじゃないかなと感じています」

―高校チームから4人、あとはユースチームの編成
「ユース、高校というのはあまり感じてなくて。彼らにとって何が一番いい環境なのかということ。ここ(のチーム)だからいいとか、悪いというのではない。彼らを伸ばす環境がいい環境だと思うのでそれがたまたまユースだった、それがたまたま高校だったと思っています。ユースの選手は伸びている、伸びていないというのは置いておいて、目標値があるかないかだと思う。ですので、彼らにとってはこの大会が終わりではなく。これをいかに踏み台にしてはっきりとできることとできないこと、通用したことと通用しなかったことを自分で体感すること。それを持って自分で次の目標を定めることができるか。あきらめずに続ける気持ちがあるかどうか。それがそれぞれの選手にあれば必ず達成できるんじゃないか、A代表、もっと上へという目標は達成できるんじゃないかなと思う。目標を定めてほしいという段階であるし、(今回は)それがファイナルへ行くことなのかなと思う」

(取材・文 吉田太郎)
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