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ザックジャパンが3-4-3習得に悪戦苦闘、前田は別メニュー調整

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 日本代表は5日、横浜市内で練習を行い、7日のキリン杯・チェコ戦(日産ス)に向けて調整した。左足かかと痛のFW前田遼一は前日に続いて別メニュー調整。ストレッチが終わると、チームの輪を離れ、ピッチ横から練習を見守った。ウォーキングやランニングも行わず、チェコ戦に向けて不安が高まっている。

 この日も前日に続いて3-4-3の攻撃面を細かく指導したアルベルト・ザッケローニ監督。左右両サイドの2グループに分け、サイドからの攻撃の仕方を事細かに指示した。

 特に動き方を入念に叩き込まれたのが3トップのウイングだ。サイドハーフが詰まっていればワイドに開いて起点となり、サイドハーフが前を向いていれば、いったん高い位置を取って相手の最終ラインを下げさせたうえでバイタルエリアにできたスペースに下がる。指揮官は、状況によって変わるポジショニングをパターンごとに厳密に指示した。

「最終的には逆サイドのFWをフリーにすることが目的」
「右で(攻撃を)つくっているときは(左FWの)岡崎がフィニッシャーになる」
「つくっているときからみんなが同じ絵を描け」

 ザッケローニ監督の大声がピッチ上に響き渡る。4-2-3-1を基本布陣とするチェコを想定し、DF4人、MF4人の相手に対し、3-4-3で攻撃パターンを確認。逆サイドに展開されてカウンターを受けた際の守備練習も行い、最後はハーフコートで3-4-3同士のミニゲームを行った。

 連日の猛特訓も、選手は習得に悪戦苦闘している。練習は何度も止まり、そのたびに指揮官が細かく指示。まだまだ時間がかかりそうであることは、指示を聞く選手の表情を見ても明らかだった。1日のペルー戦(0-0)では機能不全に陥った3-4-3。「相手どうこうより、自分たちがサイドからしっかり崩せるようにならないと」。MF遠藤保仁は、今はまだ課題だらけであることを認めた。

 DF長友佑都は「一つひとつ詰めていかないといけない。次でいい状況を見せたい」と、チェコ戦での“進歩”を誓う。目の前のチェコ戦も大事だが、最終的な目標はW杯予選突破。遠藤は「予選までにしっかりできれば、最高の形になる」と、徐々にではあるが、手応えも感じつつある。

(取材・文 西山紘平)

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