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鹿島今季初連勝も小笠原「まだ2連勝したばかり」

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[6.22 J1第17節 神戸0-1鹿島 ホムスタ]

 開幕8試合で2勝と苦しいスタートを切っていた鹿島アントラーズが息を吹き返してきた。アウェーでの神戸戦は試合開始3分にMF野沢拓也の絶妙なパスで抜け出したFW興梠慎三の右足シュートがゴール左ポストをかすめ、MF増田誓志の強烈な右足ミドルがゴールを襲う。

 思い切ってゴールを襲う大胆さと同時に、崩しながらもさらにゴールの確率の高そうな選手にシュートを打たせるなど緻密さも見せた鹿島。神戸ゴールへと圧力をかけ続けると前半37分、勝利への執着心で相手を上回ったゴールが決まる。

 自陣左サイドで相手とのボールの奪い合いを制したMF遠藤康が、前方に転がったルーズボールにすぐさま反応する。ボールに対して先にスタートを切っていた相手DFの前に身体をねじ込むと、そのままDFを振り切ってPAへ接近。そして右前方のスペースへ走りこんだFW田代有三へラストパスを送ると、田代は懸命に戻ったDFに先にボールを触られながらも浮き球に右足を当てる。このシュートがGKの頭上をゆっくりと越えるラッキーな形の決勝ゴールとなった。

 田代は試合後のインタビューで「やっと連勝できた。ラッキーなゴールが入って自分たちのペースに持っていけたと思う。ああいうところへ(ゴール前へ)顔を出すことに意味がある。もっともっと怖いところに入っていければ。上手くコンディションを整えて3連勝したい」。決して綺麗な形ではなかったが、貪欲な姿勢がゴールと勝利につながった。

 これでチームは2試合連続の完封勝利。相手に後半だけでシュート10本を打たれたが、それでも要所で決定的な仕事をさせなかった。ただクラブによると、先発して後半途中まで出場したMF小笠原満男は「勝ったのは嬉しいが、満足できない。出られる人もいれば、出られない人もいるのは分かっている。今日の交代は悔しかったし、次頑張りたい」。そして「もう負けられないし、まだ2連勝したばかり」と優勝することの厳しさ、難しさを知るチームリーダーは、全く満足することなくチームを引き締めていた。

(文 吉田太郎)

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