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まさかの逆転負け!U-22代表は冷や汗の五輪最終予選進出

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[6・23 ロンドン五輪アジア2次予選第2戦 クウェート2-1日本 クウェート]

 関塚ジャパン、冷や汗の最終予選進出――。U-22日本代表は23日(日本時間24日)、クウェートのモハマド・アルハマドスタジアムで行われた2012年ロンドン五輪男子サッカー競技アジア2次予選第2戦でU-22クウェート代表と対戦。前半21分にDF酒井宏樹のゴールで先制した日本だったが、後半の2失点により1-2で逆転負けした。だが19日の第1戦を3-1で制していた日本は、2戦合計4-3で辛勝。今年9月から始まるアジア最終予選進出を決めた。

 ホームで行われた第1戦を3-1で制し、2点のアドバンテージを持ってアウェー戦に臨んだ日本は、初戦を負傷欠場したエースFW永井謙佑が先発。その永井を頂点とした4-2-3-1システムを組んだ日本は、トップ下が東慶悟で右MFが初戦1ゴール1アシストの清武弘嗣、左MFが山崎亮平。主将の山村和也と山本康裕がダブルボランチに入り、4バックは右から酒井宏樹、鈴木大輔、濱田水輝、そして比嘉祐介。GKは権田修一が先発を務めた。

 一方、逆転するためには2点差以上の勝利が絶対条件のクウェートは、初戦でベンチスタートながら追撃ゴールを決めている“危険人物”ジャゼアを先発起用。最前線に位置するエースFW Y・ナセルやFWアリを中心に立ち上がりからアグレッシブに日本ゴールへ攻め込んできた。

 試合開始前の時点で気温39度を越えていた灼熱のアウェー決戦。相手の深いタックルと荒れたピッチに攻撃を乱された日本に対し、クウェートは前半4分に右クロスからY・ナセルがヘディングシュート。6分にはアリとのワンツーからジャゼアが鋭くPAへ侵入する。そして16分には、敵陣でのインターセプトからジャゼアがPAへ出したスルーパスにY・ナセルが飛び込んだ。

 序盤、試合の主導権を握っていたのはクウェート。だが先制したのは日本だった。前半21分、中央からPAへ送られた縦パスに長い距離を走って反応したのは右SBの酒井宏。背番号4は飛び出してきたGKの目前で右足を合わせると、ボールはゆっくりとゴールへ吸い込まれた。

 チャンス、シュートシーンもない中、GKと交錯しながら酒井宏が挙げた大きな1点。第1戦で失ったアウェーゴールを奪い返し、2戦合計4-1と突き放した日本は2次予選突破へより優位な立場に立った。この後、落ち着いてボールをつなぐ日本は、前線で永井が攻守に走り回り、清武や比嘉がドリブルでスペースを突いていく。またGK権田が冷静なセーブを見せるなど、安定した戦いを見せていた。

 それでも五輪予選は簡単に勝てるほど甘くなかった。またクウェートの心もまだまだ折れていなかった。日本は前半途中で負傷した比嘉に代わり、後半開始から左SBに吉田豊を投入。だが開始直後の5分、センターサークル付近からのFKをPAでCBハムードにつながれると、アリに豪快な左足シュートを叩き込まれた。2戦合計4-2。差を詰められた日本は、直後にも右クロスからハムードに決定的なヘディングシュートを放たれるなど、再びクウェートを勢いづかせてしまう。

 そして13分、PAへの右クロスに対応した鈴木が背後から距離を詰めたY・ナセルにボールを奪われると、取り返そうとした鈴木の足がY・ナセルの足にかかり、痛恨のPK献上。これをY・ナセルに自ら決められて2戦合計4-3まで詰め寄られてしまった。

 日本はこの直後、山本に代えてMF山口螢を投入。足を攣らせる選手も出てくるなど相手の運動量が落ちたことでカウンターからチャンスをつくったが、再び引き離すことができない。26分にはPAで永井とのワンツーから清武が左足シュートを放つも、決定的な一撃はゴール左ポストのわずか外側。27分には山崎に代えて第1戦でゴールを決めているFW大迫勇也をピッチへ送り出したが、35分に清武とのコンビから東が放った決定的な右足シュートは相手GKアルハレディのビッグセーブに阻まれてしまった。

 タレント揃いの攻撃陣でもアウェーで2点目を奪うことはできなかった。それでも日本は第1戦で得たリードを「守りきった」。2戦合計4-4へ追いつくために「あと1点」を狙いながらも日本の守備陣を崩すことのできないクウェートは終盤、これまで以上にロングボールを多用してきたが、日本は鈴木と濱田の両CBを中心にしっかりと跳ね返す。日本は後半ロスタイムにも連続のセットプレーを与えたが、ゴールを捉えたドゥワイヒのヘディングシュートを権田がビッグセーブ。アウェーで黒星をつけられた日本だったが、最終予選進出の権利は譲らなかった。

 今年9月に始まる最終予選は2次予選を突破した12チームが3グループに分かれて、来年3月までリーグ戦を実施。プレーオフを含めた3.5の出場枠を争う。アウェーでの厳しい戦いを乗り越えた関塚ジャパンは、苦しみながらも5大会連続の五輪出場へ一歩前進した。

[写真]敵地で敗れたものの2戦合計4-3で最終予選進出を決めた

(文 吉田太郎)

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