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神戸は4戦ぶり得点も守り切れず。先制弾の大久保は苦言連発

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[6.26 J1第18節 大宮1-1神戸 NACK]

 ヴィッセル神戸は後半8分に、エースFW大久保嘉人がチーム4試合ぶりの得点を決めて先制したが、逃げ切れずに1-1のドローに終わった。連敗こそ2で止めたが、これで6試合連続で白星から見放された。

「しっくりこないっすね。もし、勝ったとしても内容的にはあまり変わっていない。勝ち点3取れたら一番良かったし、チームとしてはそれがいいですけど、たとえ勝ってても、個人としては物足りない」

 自身7試合ぶりの今季4得点目を決めた大久保だが、試合後の表情は厳しかった。ゴールシーンについて質問されても、ゲーム内容への不満が先に出た。報道陣から最近の数試合と比べた場合、内容が良くなったと指摘されても、「ボールが動いているだけ。前へのくさびだったり、危険なところにパスを出してない。近くの人しか見えてない。奥に出すとか、(自分は)DFラインの間に立っているので、1対1で勝負できるようなところにパスを出してくれれば……。裏へ出してくれればいいんですけど、出てこない」とチームメイトへの不満を口にした。

 今季は主に左サイドを務めていたが、前節の鹿島戦からFWに復帰した。しかし、周囲から思うようなパスが出てこないという。とはいえ、綺麗なスルーパスを要求している訳ではない。単純なくさびのパスやDFラインの背後への縦パスが少ないと嘆いている。

「(パスを受けたときの)ボールの置きどころが悪い。あそこが開いてるかなと予想してプレーすれば……。それがなくて、ボールが来てから考えているから潰される。プレッシャーかけられて、トラップのミスがある。それが多い」と問題点を指摘。そして「裏に適当に蹴ってくれればいいのになと感じた。もっと出してくれたら、(ゴールが)取れるのにと思います」と吐露した。

「ずっと要求はしている。でも、パスが出てきてない。練習からみんな積極的にチャレンジして欲しい。そういう練習はしてますけど、“練習の中の練習”になっている。“それじゃ通らんよ”というボールを練習だからと、蹴ってしまってる。それが試合に出てる速いボールを出さないといけない」

 大久保は厳しい言葉を並べた。もちろん、すべては、チームのためだ。昨季は奇跡的にJ1残留を決めたが、今季は中位以上、いや上位進出を目標にする神戸。それだけにキャプテンの大久保は、周りにもっと上のレベルを求めている。順位は11位のままだが、徐々に上位と離されている。昨年のような思いはもうしたくない-。大久保は“嫌われ役”となり、神戸を上位に導く覚悟だ。

(取材・文 近藤安弘)

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