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U-17代表の活躍が刺激に!U-18代表候補が大学生に4発快勝

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[6・30 練習試合 U-18日本代表候補4-0静岡産業大 Jステップ]

 U-17世代には負けられない。2013年のU-20W杯トルコ大会を目指して静岡合宿を行っていたU-18日本代表が30日、静岡産業大と練習試合で戦い、FW高原幹(名古屋U18)、MF風間宏矢(清水商高)のゴールなど4-0で快勝した。同代表は10月29日からAFC U-19選手権予選グループEを戦い、来年にはU-20W杯の出場権を懸けたAFC U-19選手権に臨む。

 1歳年下のU-17日本代表がメキシコで開催中のU-17W杯2011で18年ぶりに8強へ進出。世界舞台で見せている鮮烈な活躍に「負けられない」という思いを強めているU-18代表候補が、静岡合宿最終日の練習試合を快勝で終えた。元日本代表MF風間八宏氏を父に持つ風間は「自分もコパ・チーバス(メキシコ)で国際舞台を経験したけれど、刺激になる。今のU-17世代も国際舞台でそれを感じていると思うし、自分たちも世界の舞台に立ちたい」と力を込めた。U-17組の活躍がU-18世代に刺激を与えているのは間違いない。MF大島僚太(川崎F)、MF相馬大士(柏)、DF松原健(大分)、DF櫛引一紀(札幌)、GK櫛引政敏(清水)のJリーガー5人が出場した前日の清水エスパルス戦は2-3で惜敗(清水戦についてはコチラへ)。だが大学生相手のこの日は高い攻撃力と課題の守備面でも結果を出し、4-0勝利をおさめた。

 U-18代表候補は4-4-2システムを採用。GKは杉本大地(京都U-18)で4バックは右から小山内貴哉(札幌U-18)、久司勇二(JFAアカデミー福島)、高橋祐治(京都U-18)、宮本和輝(横浜FMユース)。中盤は荒野拓馬(札幌U-18)と風間をダブルボランチに右が田鍋陵太(三菱養和SCユース)で左が杉本竜士(東京Vユース)。2トップは小野瀬康介(横浜FCユース)と高原が務めた。

 U-17W杯決勝トーナメント1回戦でニュージーランドから6ゴールをたたき出したU-17代表同様、U-18代表候補も立ち上がりからゴールを重ねた。試合開始直後の前半4分、バイタルエリアをドリブルで突いた高原が得意の左足を振りぬく。これがゴール左上へ突き刺さる鮮烈な先制ゴール。早くもリードを奪ったU-18代表候補は12分にもカウンターからワンツーで中央突破に成功すると、荒野が絶妙なスルーパス。ディフェンスラインの背後を狙っていた小野瀬が抜け出し、決定的な右足シュートを放った。

 そして16分、U-18代表候補は左サイドで仕掛けた杉本がFKを獲得。キッカーの風間がGKとDFラインの間に正確なボールを放り込むと、ワンバウンドしたボールはそのままゴール右隅へ吸い込まれた。

 ともに強さと上手さを兼備する風間と荒野がボールを失わないU-18代表候補は、その後も中央、サイドからビッグチャンスをつくり出す。25分には田鍋のギャップを突くスルーパスから右サイドを駆け上がった小山内がクロス。ゴール前のこぼれから高原が決定的な左足シュートを放ち、30分には高橋の縦パスで抜け出した高原の左足シュートがクロスバーを叩いた。DFのミスからゴールへ迫られる場面はあったものの、高橋や宮本和らがシュートを打たせる前にボールを奪い返すなど2-0で前半を折り返した。

 U-18代表候補は前半に激しいチャージを受ける場面のあった田鍋、杉本に代え、後半開始から右MFに榊翔太(札幌U-18)、左に佐藤和樹(名古屋U18)を投入。開始3分には左サイドから仕掛けた高原が左足シュートを放ち、9分には風間のスルーパスに榊が飛び込む。そして佐藤の左足ミドルがゴールマウスをかすめるなど後半もU-18代表候補は攻勢に試合を進めた。

 ただ後半は連係ミスや個人のミスが目立つ展開に。パスミスの回数が増えたほか、DFラインの選手の動きが重なり、ふたりが並んだ状態でボールを取りにいってしまうような場面もあった。相手が攻めきる前にミスしたり、シュートの精度を欠いていたこともあって無失点で終えることができたが、反省材料の多い45分間だった。

 それでもU-18代表候補は後半も2点を加える。14分に久司に代えて山中亮輔(柏U-18)を左SBに、16分には杉本に代えてGK池村彰太(JFAアカデミー福島)を投入。そして18分、敵陣中央の高原からのラストパスで抜け出した小野瀬が、GKの頭上を射抜く右足シュートを決めて3-0と突き放した。

 20分には小野瀬に代えてFW三根和起(京都U-18)をピッチへ。24分には山中とのワンツーで左サイドを打開した佐藤のクロスに三根が飛び込む。26分にも荒野のパスから佐藤が左サイドのスペースを突くと、そのアーリークロスに走りこんだ榊が決定的な左足シュートを放った。チャンスの数の割には、なかなかそれをものにすることのできなかったU-18代表候補だったが、それでも29分、右サイドの三根がグラウンダーの左足シュートをニアサイドへねじ込み4-0。試合終盤には相手最終ラインのギャップを突いた山中が中央突破し、40分には風間の絶妙なスルーパスから榊が決定機を迎えるなど最後まで攻め続けて勝利した。

 前回5月の大阪合宿ではガンバ大阪のサテライトチームに0-4で敗れたこともあり、今回の合宿では守備面の強化を図ってきた。清水戦でも相手のボールがサイドに入ったときに連動してボールを奪うことができていたが、この日は無失点で結果も残した。充実した内容で5日間の合宿を終了したメンバーたちが次回集合するのは8月18日から行われるSBSカップ(静岡)。U-17代表に負けない活躍を目指すチームは、オーストラリア、メキシコ、静岡ユース(静岡県高校選抜)相手に現在の実力を測る。

[写真]U-18代表候補MF風間はFKを決めて1得点
(取材・文 吉田太郎)

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