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前節痛恨ミスの新潟・田中が汚名返上のPK獲得、「自分がやるんだと」

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[7.10 J1第3節 鹿島1-2新潟 カシマ]

 汚名返上に燃えていた。アルビレックス新潟のMF田中亜土夢が値千金の同点PKを獲得した。後半11分にPKで先制を許した直後だった。同13分、ロングフィードから最終ラインの背後を狙った田中がうまくDF岩政大樹の前に体を入れ、PA内に進入。DF西大伍と岩政の2人に挟み込まれる形となり、西のファウルでPKを獲得した。

「相手のミスもあったけど、信じて走った結果、ああいう形になった。先にボールを前に運んでゴールに向かえたことがよかった。信じて走ればボールは来るし、そういうのは続けていきたい」

 このPKをFWブルーノ・ロペスが決め、失点直後に追い付いた。その後はMFチョ・ヨンチョル、FWミシェウと相次ぎ切り札を投入した新潟に流れが傾き、後半43分にミシェウの右クロスからチョの劇的な決勝点が生まれた。

「PKでも1点は1点。あの時間で1点を取れたことが2点目につながったと思う」。そう胸を張る田中には期する思いがあった。前節6日の甲府戦(1-2)。1-1の後半26分、自陣内でプレッシャーをかけられた田中のバックパスを相手に奪われる痛恨のミスから決勝点を決められた。

「ああいう形で前の試合やられていたので、気持ちを切り替えて、自分がやるんだという思いでいた。切り替えてできたのがよかった」。この日が4試合連続の先発。チョの離脱中につかんだポジションを失わないためにも、名誉挽回のプレーでチームを勝利に導く決意を胸に秘めていた。

「みんなの気持ちが一つになって、全員で戦って、粘り強く新潟らしく戦えたことがよかった」。敵地でつかんだ勝ち点3は、田中にとっても、チームにとっても、今後につながる大きな1勝となった。

(取材・文 西山紘平)

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