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終盤の連続失点で鹿島は4失点大敗、岩政「いつもの流れだった」

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[7.27 J1第10節 鹿島1-4G大阪 カシマ]

 鹿島アントラーズは今季最多の4失点で2度目の連敗を喫した。得失点差「1」で15位神戸を上回り、暫定14位をキープしたが、降格圏の16位甲府とは勝ち点2差のまま。消化試合が1試合少ないとはいえ、現在のチーム状態ではその未消化分もアドバンテージとなるかは分からない厳しい状況だ。

 前半7分に自分たちのミスから失点。同19分に最大の武器であるセットプレーから同点に追い付くと、その後はボールポゼッションを高め、試合の主導権を握っているかに見えた。しかし、決定打がなく、シュートシーンも決定機も数えるほど。終わってみればシュート数でも9本対11本と、ボール支配率がフィニッシュの回数につながらず、終盤の9分間で3失点を喫した。

「また同じような試合だったなという感じですね。点も取れてないし、失点を防ぐこともできてない。主導権をどのようにとらえるか、サッカーは難しいスポーツ。少なくとも後半はガンバのやりたいサッカーをやらせてなかったと思うけど、決定的なチャンスもつくっていなかった。いつもの流れだった」

 DF岩政大樹は厳しい表情で言った。パスをつなぎ、ゲームを支配しているように見えながら決定機をつくれないまま時間が過ぎ、勝負どころの終盤に失点。「ボールを展開してから、どう点を取るか。そこが見えてこない部分があると言わざるを得ない」。セットプレーからの得点率は驚異的だが、流れの中ではFW田代有三の頭をめがけたハイボールからこぼれ球を狙うぐらいしか得点の可能性を感じないのが現状だ。

 FW興梠慎三も負傷離脱し、22歳の新外国人FWタルタを緊急補強したが、どこまでチームにフィットできるかは未知数。近年にない不振にあえぐ鹿島に、なかなか光が見えてこない。「個人的には勝ち点1でも取っていくようなイメージで入った方がいいのかなと思う。もちろん勝ちたいけど、いつものシーズンとは違うと思って……。全体に焦りがあるのは間違いない」。岩政の言葉が事態の深刻さを物語っている。

(取材・文 西山紘平)

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