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川崎F登里が60mドリブル弾、「“ジュニーニョのプレッシャー”があって決められた」

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[7.27 ナビスコ杯1回戦第2戦 川崎F3-1広島 等々力]

 圧巻のゴールだった。川崎フロンターレのMF登里享平が得意のドリブルを活かして“60m独走弾”を決めた。1-1の後半9分、左サイド自陣よりでボールを受けると、一気にギアを入れた。快足を活かしてPA内右に進入して右足でシュート。これはDF森崎和幸にブロックされたが、こぼれ球に反応し、再び右足で蹴り込んだ。脅威の60mドリブル弾が決勝点になった。

「相手も攻めて来ている時間帯だったので、スペースがあった。パスという選択肢もあったけど、オフサイドかもと思って止めた。決めないと、ジュニーニョがキレるかもと思ったので、決められて良かった。“ジュニーニョのプレッシャー”があって決められた(笑)」

 逆サイドには、エースFWジュニーニョが並走していた。うまくパスが通れば、ジュニーニョもフリーで、得点できる体勢だった。しかし、強い覚悟を持って自分で持ち込んだ。結果を数字で残せるチャンスを逃したくなかった。開幕当初は先発をつかんでいたが、5月29日のリーグ戦・G大阪戦から先発を外れた。中村憲剛と稲本潤一の離脱で、今月16日のリーグ戦・柏戦から先発に復帰。この試合を含めて公式戦3試合連続先発中だった。

「自分にとってはチャンス。主力組が抜けて、良いサッカーができなくて負けたとか言われたくなかった。活躍して、チームの勝利に貢献したいと思っていた。相馬監督も『信じて戦おう』と言ってくれた。それが強い気持ちにつながった」。先輩がいないうちに結果を残して、相馬直樹監督にアピールしたい思いがあった。それが結果にこだわる姿勢につながった。

 2-1と勝ち越すゴールを決めたあとは、後半17分に華麗なアシストを決めた。ゴール中央でボールを受けると、PA内左に走り込んだFW小林悠に、左足で絶妙なスルーパスを通した。「練習していたことが出せた。いい動きをしてくれるんで、出しやすいですね」と決めた小林を賛えたが、さすがのアシスト。周囲をうならせた1G1A。間違いなく、2回戦進出に導いた立役者の一人だ。

「総力戦で勝てたのは、チームの底上げにつながる。自信を持って戦うことができる」と登里。最近は、相手のチームカラーと同じ色のトランクスを履いて試合に挑むが、この日は広島カラーの紫がなかったため、川崎Fの色に近い青黒のトランクスで挑んだ。つまり、ジンクスに関係なく活躍したことになる。若きアタッカーはまた一つ、成長の証を見せた。

(取材・文 近藤安弘)

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