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[総体]「負けた気がしない・・・・・・」選手権覇者・滝川二の夏はわずか1試合で終焉

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[7・29 全国高校総体2回戦 静岡学園1-1(PK4-2)滝川二 仁賀保グリーンフィールド]

 偉大な先輩越えを狙った滝川二の夏は、わずか1試合で幕を閉じた。敗退決定に視線を落とし、頭を抱え込む選手たち。静岡学園の2倍に当たるシュート14本を放ち、決定機も連発した滝川二だったが、決定力を欠いたチームはPK戦の末、大会から姿を消した。

 1月の高校選手権で日本一に輝いたチームは、総体でも準優勝だった昨年を越える成績を目指していた。「一戦一戦勝利を重ねて日本一」の思いを誰もが抱いていた。それだけに悔しすぎる敗退。プレッシャーは感じないようにしていた。選手権優勝メンバーで、右ひざ痛などの痛みを抱えながら強行出場したCB亀岡淳平は「正直なところ、負けた気がしない。自分たちの代はまだ何もしていない。(冬夏連覇ということを)考えてしまうとプレッシャーに感じてしまうし、『自分たちは自分たち』と思うようにしていた。今は敗戦を受け止めて選手権を目指していくしかない。選手権では課題に残った初戦突破をしてから、優勝を目指したい」。

 選手権優勝メンバーのほとんどが卒業した春先はチグハグしていたチームが形となり、亀岡、GK清水貴大、DF平田雄己、MF筒井亮磨、MF恵龍太郎の優勝経験者5選手だけでなく、FW札場健太やDF鈴木陸ら新たな選手たちも台頭。強豪に脅威を与えるサッカーができることを示した。「点を決められなかった。いつもならありえないようなシュートの外し方もしていたし、1点取りたいということがプレッシャーになってしまっていたかもしれない。点を取れる時に取るというのはずっと課題。技術練習よりも躊躇しないで『GKに当たってもいい』くらいの気持ちでゴールへ蹴りこむ意識をつけないといけない」と栫裕保監督は注文をつけていたが、それでも「静学相手にこのサッカーなら合格点かな。チャンスはつくれていたし、ディフェンスも昨年と同様に守れている。ポカがなければ簡単には負けないと思う」と戦いぶりについて及第点を与えていた。

 「王者」として注がれる周囲からのプレッシャーがより強まることが予想される選手権。兵庫県大会を勝ち抜くことも決して簡単ではないが、必ず全国へ戻る。亀岡が「自分はディフェンスなんで(選手権で)大会無失点にしたら、先輩たちを超えられる」と話したように、目標を持って練習に取り組み、そして昨年以上のチーム力を備えて滝川二は選手権で全国連覇を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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