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俊輔が“捨て身”の決勝弾、横浜FMがC大阪を下し3位浮上!

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[8.24 J1第23節 横浜FM2-1C大阪 ニッパ球]

 J1第23節が24日に各地で行われ、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場では4位の横浜F・マリノスと14位のセレッソ大阪が対戦した。30分試合開始が早かった首位のG大阪、3位の名古屋が勝利したため、横浜FMは食らいつくためにも負けられなかったが、MF中村俊輔の“捨て身のゴール”などで横浜FMが2-1で勝利。勝ち点を46に伸ばし、柏を抜いて3位に浮上した。C大阪は4戦連続勝ち星無しとなった。

 横浜FMは中盤がダイヤモンド型の4-4-2を採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、金井貢史。アンカーは小椋祥平が入り、右MFは兵藤慎剛、左MFは谷口博之、トップ下には中村俊輔が務めた。2トップは長谷川アーリアジャスールと小野裕二が組んだ。

 対するC大阪は4-5-1を採用。GKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から酒本憲幸、出場停止から復帰した茂庭照幸、上本大海、丸橋祐介。ダブルボランチは扇原貴宏と山口螢が組み、2列目は右から清武弘嗣、ファビオ・ロペス、倉田秋が入った。1トップは前節の清水戦でハットトリックを達成した播戸竜二が務めた。播戸は14試合ぶり2度目の先発となった。

 立ち上がり、C大阪の播戸が積極的な飛び出しでチャンスを作る。前半11分、左サイドから丸橋のアーリークロスに播戸がPA内に走り込んだ。なんとか合わせたが、残念ながらシュートは上に外れた。同13分には再び播戸がPA内左でパスを受け、反転から左足を振り抜いたが、GK飯倉の正面だった。

 横浜FMは2トップと、トップ下の俊輔が流動的に動いて仕掛ける。そして前半15分、先制に成功した。右サイドの深い位置で俊輔がタメを作り、茂庭の股を抜いてPA内右付近の小野にパス。小野が短いステップで中央にクロスを入れると、兵藤慎剛が走り込んで左足を合わせ、ゴールネットに突き刺した。背番号「7」の5試合ぶりの今季5得点目で1-0リードをもたらした。

 これで横浜FMがリズムをつかむ。前半20分には、GKキムが前に出ていたところを見て、長谷川がロングシュート。同24分にはゴール正面やや左から金井がミドルシュート。さらに同27分には右サイドで、長谷川が縦パスに抜け出し、PA内右からグラウンダーのシュート。いずれも決めきれなかったが、ゴールへの積極性を見せた。

 C大阪は清武や倉田、ファビオら個人技の高い選手が2列目に顔を揃えたが、バイタルエリアでの崩しに苦戦。中澤&栗原のCBコンビを前に、突破することが出来なかった。そんな中、前半44分に横浜FMが追加点に成功した。

 ゴール正面やや左で俊輔がPA内にスルーパス。これを兵藤が落とし、小野が受けてドリブルで仕掛けた。茂庭が対応に来たため、小野は走り込んできた背番号「25」へ。俊輔は左足を振り抜いた。茂庭もクリアしようと足を振り上げた中、ボールはゴールイン。司令塔の8試合ぶり今季3得点目で2-0と、最高の形で前半を折り返した。

 ただ2点目のシュートの際、俊輔は左足を痛めて一度はピッチの外に出ており、状態が心配されていたが、後半開始から俊輔は、FW渡邉千真と交代となった。横浜FMは後半7分、カウンターから小椋がオーバーラップを仕掛けてミドルシュート。しかしこれは枠を外した。

 横浜FMは後半10分、長谷川に変えてDFキム・クナンを投入。いつものようにFWに据えた。C大阪は同13分、山口に変えてFW杉本健勇を投入。これが当たった。投入から1分後、杉本がJ初ゴールを決めた。清武がPA左外からスルーパス。これを杉本はPA内中央で受け、巧みな反転から右足を一閃。きっちりとゴールネットを揺らし、反撃ののろしを上げる貴重な1点を奪った。

 横浜FMは俊輔不在が響き、前線でのタメが減ったうえ、ゴール前での“怖いパス”が減少した。それでも、キムが奮闘。後半17分、PA左で兵藤のパスを受けて突破。最後は右足を振り抜いたが、惜しくも上に外してしまった。C大阪はこの時間、細かいパスワークとサイド攻撃が復活したが、アクシデントに襲われた。

 後半29分、日本代表MF清武弘嗣がパスを出したあと、左足を抑えてうずくまり、ピッチの外に出た。そのまま同30分、MF村田和哉と緊急交代となった。横浜FMは同40分、渡邉がドリブルで長い距離を仕掛けて左足でミドルシュート。しかし、これは左上に外れた。

 横浜FMは後半40分、小野に代えてDF天野貴史を投入。中盤に据えて守備を強化した。同43分、C大阪はPA左から扇原がシュートを放ったが、わずかに外れた。ロスタイムは3分の表示。C大阪が必死の攻撃で同点を狙うが、横浜FMの守備陣が踏ん踏ん張った。そのまま2-1で横浜FMが勝利し、柏を抜いて3位に浮上した。

(取材・文 近藤安弘)

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