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中村憲剛が約11ヵ月ぶりの代表復帰、ザック「ピッチ上の結果が彼を代表に戻した」

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 MF中村憲剛(川崎F)が昨年10月12日の韓国戦以来、約11ヵ月ぶりに日本代表に復帰した。アルベルト・ザッケローニ監督は「体調を崩していた時期もあったが、その後復帰して、クォリティーの高いものを見せている。代表復帰に値すると思ったのが理由。リーグ戦の戦いぶり、ピッチ上の結果が彼を代表チームに戻した。理由はそこだけ」と招集理由を説明した。

 ザックジャパン初陣となった昨年10月8日のアルゼンチン戦、韓国戦といずれも途中出場。その後は1年近く代表から遠ざかってきた。所属する川崎Fは現在、クラブワースト記録を更新する6連敗中で、中村自身ケガで離脱している時期もあったが、最近4試合はボランチでフル出場を続けており、そのパフォーマンスを認められての復帰となった。

「中村は真のプロ選手で、フィジカル面でもメンタル面でもいい状態でいる。グループ内での協調性もある。代表チームに来て当然。年齢に関係なく、代表チームの門戸は全員に開かれている」。世代交代が進むチームがいよいよ臨むW杯アジア予選。前回のW杯予選を含め、経験豊富な中村の復帰は、指揮官が必ずしも若手ばかりを重用するわけではないことも示唆している。

 ザッケローニ監督は今回のメンバーについて「若いチームに経験豊富な選手がうまく融合しているイメージを持っている」と指摘。「中村が入った一方、原口という若い選手も入った。そういう意味で年齢のバランスは取れていると思う。ピッチ上でいいものを見せれば、いつでも代表チームに入れるというメッセージも読み取れると思う」と強調した。

 ボランチはMF遠藤保仁、MF長谷部誠という不動のレギュラーにMF阿部勇樹、MF細貝萌、MF柏木陽介も虎視眈々と定位置を狙う最激戦区。ポジション争いを生き残るには1回の練習、一つの試合が重要な意味を持つ。「中村は高いクォリティーを持っているし、経験も豊富。パスの精度も高く、グループの輪も乱さない。そして30歳にしても向上心を常に持ち続けている。そういうところに期待したい」。指揮官の期待に中村がどう応えるか。

 日本代表は9月2日にW杯アジア3次予選初戦の北朝鮮戦(埼玉)を戦い、そのままウズベキスタンに移動。6日には敵地で第2戦に臨む。南アフリカW杯出場を決めた09年6月6日のアジア最終予選・ウズベキスタン戦では中村のスルーパスからFW岡崎慎司が決勝点を決めた。今回の舞台も当時と同じパフタコールスタジアム。11ヵ月ぶりの代表復帰で2年前の再現を果たし、再び代表定着を目指す。

(取材・文 西山紘平)


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