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カズのアシストでJリーグOBがミランOBを撃破、バレージ、パパン、マッサーロ……夢マッチが宮城で実現

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 震災復興支援・日伊レジェンドマッチが8月31日、宮城県のユアテックスタジアム仙台で行われた。被災地を勇気づけ、かつ収益金で支援しようと元イタリア代表DFフランコ・バレージ氏ら往年の名手をそろえた『AC MILAN グロリエ』と、元日本代表DF井原正巳や元日本代表FW三浦知良がメンバーに名を連ねた『Jエスペランサ』が激突した。

 一夜限りのドリームマッチは、元日本代表FW福田正博氏が後半13分に先制点をゲット。同31分に『AC MILAN グロリエ』のMFセルジーニョ氏にFKを決められて同点になったが、ここでドラマが起きる。同39分、三浦カズの左クロスから元日本代表MF北澤豪氏がボレーを決めて『Jエスペランサ』が2-1で勝利した。

 三浦カズはアシストだけでなく、あの名勝負でも沸かせた。セリエAジェノア時代の1994年9月4日にミランと対戦し、バーレジ氏との競り合いで鼻骨を骨折したが、17年ぶりにマッチアップが実現。ファンを感動に包んでいた。カズは「イタリアから、ACミランの歴史を作った偉大な選手たちが日本のために来てくれて、僕らも協力できたことに喜びを感じながらピッチに立ちました」などとコメントしている。

以下、大会運営員会が発表した参加選手のコメント

●元イタリア代表DFバレージ氏(51)
「特別な思いを持って臨んだ試合だった。プレーの内容が重要なのはもちろんだが、我々の最大の目的はチャリティーだ。災害なんて起こらないのが一番だけど、またこのような事態が起きた時は、我々は喜んで手を差し伸べたいと思う。ピッチ上で頑張る姿勢が少しであっても復興の力になれば幸いだ」
「前半途中で交代したのはケガしたからじゃない。疲れたんだ。見ての通り、もう若くないからね。現役時代と同じパフォーマンスを見せるのは不可能だよ。ラインコントロールは20年前と同じだったって? お世辞だとは思うが、そう言ってもらえて悪い気はしない。でも、20年前は格段にレベルが高かったはずだよ(笑)」

●元フランス代表FWパパン氏(47)
「今日の試合はすごく楽しかった。サッカーの試合はいつだって楽しいけど、震災の被害に遭った人たちのためにプレーできるという、いつもとは違う種類の喜びを感じながらサッカーを楽しむことができた。観客の作り出す雰囲気は本当に素晴らしいものだった。応援してくれた人たちに感謝したい」
「前半最後のシュート? 右足のボレーだね。難しいシュートだけど、現役時代には得意としていた形なんだ。もうトップレベルのプレーから遠ざかって久しいから、決めることができなかった。現役時代や、引退して何年かしか経っていない時であれば、100パーセント決めていたと思うんだけど(笑)。蒸し暑さもあって、走るのもボールを蹴るのも大変だった。でも、サッカーを心から楽しむことができた夜だったよ。Jエスペランサの選手、ファン、試合を企画して、運営してくれた人たちすべてに感謝したい」

●元ブラジル代表MFセルジーニョ氏(40)
「素晴らしい試合だったね。すべてのプレーが最高レベルというわけにはいかなかったかもしれないけど(笑)、みんな楽しく、そして真剣にプレーして、観客を楽しませることができたと思う。一つひとつのプレーに驚きの声を上げ、拍手を送ってくれたファンの人たちに感謝したい」

「FKでのゴールは素晴らしかったね。あの瞬間だけは、僕も全盛期のフォームを取り戻したと言えるのかもしれない。我ながら美しいFKだった(笑)。でも、ゴールよりも試合全体がいかに美しいものだったかを覚えていてほしいな。日本人選手も含めて、みんな友情を抱きつつ、相手への敬意を込めてプレーしていた。そういう意味で、素晴らしい試合ができたと思うんだ」

●FW三浦知良
「イタリアから、ACミランの歴史を作った偉大な選手たちが日本のために来てくれて、僕らも協力できたことに喜びを感じながらピッチに立ちました」
「一緒に、90年代、2000年代最初の代表メンバーが集まってプレーできたことは素晴らしいなと思うし、参加してくれた選手たちに感謝したいです。サッカーの持つ力は本当にすごいなと実感しました」
「(決勝点のアシストは)残り時間も少なかったですし、勝ちたいと思っていましたし、良い形で、キーちゃん(北澤氏)とのコンビで点を取れて良かったです」
「(震災復興支援については)サッカーを通じて、今後も何か協力していければと思います。もちろん、横浜FCでのプレーがつながると思いますし、全力でプレーする姿で何かを伝えていければと思っています」

[写真]カズ(右)とバーレジ氏(左)の名勝負が再現された

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