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“最後の男”から“切り札”へ、ハーフナー「少しでもチームに貢献したい」

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 “最後の男”が大事な場面での“切り札”的存在になる可能性が出てきた。MF本田圭佑とMF中村憲剛の負傷離脱で注目を集めた追加招集。甲府で今季11得点と好調のFWハーフナー・マイクが急きょ呼び寄せられた。ザッケローニ監督はこの日、若き長身FWを選んだことについて「リーグでの調子もいいし、今いるFWとは違った特徴を持っている。これから戦っていく中で、彼の特徴を活かせるのではないかと思って招集した」と意図を説明した。

 「彼の特徴」とは、すなわち194cmの高さだ。つまり、劣勢の時のパワープレー要因、“スーパーサブ”として期待している。194cmの長身はザックジャパン歴代最長身。当初のメンバーで比較すると、GK、DFを除けばFW李忠成の182cmが最長身だった。離脱者とのバランスを考えると、攻撃的MFが選出されるかと思われたが、ザッケローニ監督は再考した結果、何が起こるか分からないW杯予選に、高さという武器を求めた形だ。

 本人も自覚十分だ。昨日午後10時すぎにA代表招集の報を聞いた際は、「いついくんですか? と聞いたら、明日だと。早いなと……。とにかくびっくりしました」と困惑したが、一夜明けて練習に初参加し、気持ちは完全に“戦闘モード”に入った。「自分をどれだけアピールできるか。あしたぶっつけ本番ですけど、誰が出るかも分からないし、何が起きるかも分からない。しっかりと準備したい」と意気込んだ。

 8月上旬に札幌で行われたA代表候補合宿に初参加した。そこでザッケローニ監督から綿密な指導を受け、さらに“志”が高くなった。「守備の仕方やくさびでこう受けてほしいというのを指摘された。それをJリーグで出していければ、自分のプラスにもなる。まだまだ成長したいし、一歩一歩上に行きたい」と話しているが、その後、下位に低迷する状況の中、リーグ戦5戦2得点と結果を出し、ランク2位の11得点と躍動している。これを日本代表でも発揮する。

「しっかりアップから準備したい。どの場面で出るかもわからないので、全力でやっていきたい。少しでもチームに貢献できるように頑張りたい」

 まだメンバーは決まっていないため、あす2日の北朝鮮戦での“ぶっつけA代表デビュー”もイメージして準備をするというハーフナー。いわゆる4-2-3-1のCFは、今回は怪我で招集されていないFW前田良一(磐田)がレギュラーの筆頭候補で、それに李忠成が続く。招集のされ方だけで見ると、3番手がFW森本貴幸、4番手がFW田中順也。ハーフナーは5番手とみられる。しかし、長身という武器は、唯一無二のもの。このチャンスを活かし、一気にザックジャパンに欠かせないFWへとランクアップを目指す。

(取材・文 近藤安弘)

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