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李が鄭大世に宣戦布告、「相手のFWよりも1点でも多く取りたい」

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 テセさんには負けません! 1トップでの先発が確実な日本代表FW李忠成(広島)が、前川崎Fで北朝鮮代表FW鄭大世(ボーフム)に宣戦布告した。埼玉スタジアムでの公式練習終了後、鄭大世との“ストライカー対決”について「凄く楽しみにしているし、相手のFWよりも1点でも多く取りたい。ホームでの初戦なんで、自分の得点でチームに貢献できたらと思う」とライバル心をむき出しにした。

 鄭大世とはJリーグで何度も対戦。同じようにパワフルなプレーが持ち味とあって、意識している存在だ。だが、李忠成はこの日、鄭大世の前では“嘘”をついた。日本代表の練習後に北朝鮮代表が練習を行ったが、引き上げる際に鄭大世と遭遇した。年齢が上の鄭大世から「点を取るなよ!」と声をかられると、「わかりました!」と返事をしたという。

 しかし、取材では報道陣を前に堂々と宣戦布告。FWとしての闘争本能がそうさせた。そもそも、在日韓国人4世だった李忠成は、小学校は東京朝鮮第九初級学校に在学し、北朝鮮の文化も学んだ。「勝負へのスピリット、北朝鮮のスピリットというのは、自分は小学校のころから学んできたもの。それよりも強い気持ちでやりたい」と宣言。鄭大世の前では、先輩を立てた形だが、気持ちの強さが売りの国だとよく分かっているからこそ、自身も強気の姿勢を見せた。

 鄭大世に勝つというよりも、とにかくゴールが欲しい。1月のアジア杯の決勝オーストラリア戦では、途中出場して延長戦に劇的ボレーを決めて優勝に導いたが、先発出場した過去2試合では、いずれも無得点に終わっている。今回はFW前田遼一が怪我で不在。なおかつ、点の取れる司令塔MF本田圭佑が怪我で離脱したとあり、李忠成への期待は大きい。

「自分たちのサッカーをしっかりと貫き通して90分やれば、1点、2点、3点と取れると思う。どの中盤だから自分のプレーが出せなかったからとかではなくて、どの中盤でも自分のプレーを出さないといけない。先制点を自分が取れるようにやりたい」と言い切った。真のエースとなるためにも、ライバル鄭大世の前でゴールを決めて日本を勝利に導く。

(取材・文 近藤安弘)

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