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主将が示したゴールへの意志、長谷部「この結果は運ではなく必然」

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[9.2 W杯アジア3次予選 日本1-0北朝鮮 埼玉]

 キャプテンが自らゴールへの「意志」を示した。後半1分、強烈なミドルシュートでチームの後半初シュートを放ったMF長谷部誠はボランチの位置から何度も前線へ飛び出し、ドリブルで仕掛けては敵陣を深くえぐった。

「前半はちょっと最後のところの迫力が足りなかった。後半は前に前にボールを運んで、強引にプレーしようかなと。パスばかりでは止められる。自分が突っかけて、強引にドリブルでと思った」

 後半10分、ドリブルでPA内右サイドに進入し、CKを獲得。同19分にもFW香川真司がFW清武弘嗣のワンツーからPA内に切れ込むと、こぼれ球を長谷部が拾い、ゴール前へのクロスから清武の決定的なシュートを引き出した。同25分にはPA手前で仕掛け、絶好の位置でFKを獲得。同29分、縦にボールを運んでFWハーフナー・マイクの決定機を演出すると、同35分にも右サイドからゴールライン際までドリブルでえぐり、CKを獲得した。

「アジアレベルというか、こういうブロックをつくった相手には強引にドリブルで仕掛けていかないと、なかなかこじ開けられない」。縦への意識を強め、積極的に仕掛け、前に人数をかけた。後半のシュート数は15本。長谷部が絡み出したことで攻撃のバリエーションも厚みも増し、北朝鮮を防戦一方にした。

 終盤は数的優位に立ったこともあり、一方的に攻め立てた。決勝点が生まれたのは後半ロスタイムだったが、「自分たちの攻撃がジャブとなって、最後に結果に結び付いたのは運ではない。この結果は必然と捉えて、次に向けてやっていきたい」と胸を張った。

「若い選手、予選を経験していない選手も多い。初戦の大事さは感じていたし、勝ちと引き分けでは精神的に違った。いい意味で、次の試合も余裕を持ってプレーできると思う」

 初戦で手にした勝ち点3の重要性を説いた長谷部だが、同時に課題も見えた。「パスサッカーをして、悪い意味で酔っちゃっている部分もある。時には強引にプレーしないと点は取れない。きれいなサッカーにこだわると、足元をすくわれる」。一筋縄ではいかないのがW杯予選。この日の“苦戦”を良薬に、もう一つ上のレベルへチームを引き上げるつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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