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2年前のウズベク戦はまさかの退場、長谷部「レフェリングを含めてサッカー」

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 明日6日のW杯アジア3次予選第2戦・ウズベキスタン戦の舞台となるパフタコールスタジアムは、日本代表にとってゲンのいい場所でもある。南アフリカW杯出場を決めた09年6月6日のアジア最終予選第6戦・ウズベキスタン戦の会場がここだった。

 とはいえ、MF長谷部誠(ボルフスブルク)にとっては、必ずしもいい記憶ばかりではない。後半44分にひじ打ちをしたとして一発退場を命じられ、必死の逃げ切りを図るチームの勝利を祈るしかなく、W杯出場決定の瞬間はスタンド下で迎えた。

 日本は終始、主審のジャッジに悩まされ、長谷部の退場後には当時の岡田武史監督も退席処分。レッドカードを突き付けられた長谷部は呆然と立ち尽くし、試合後には「当たってたけど、退場になるレベルじゃない。(ジャッジが)これだけひどいのはなかなかない。試合が成り立たなかった。勝ったからよかったけど、負けたり引き分けていたりしたら、何か言いたくなったでしょうね」とめずらしく怒りをあらわにした。

 あれから2年。日本代表の主将としてもすっかり定着した男はこの日の公式会見で「レフェリングを含めてサッカーだと思う。アジアのレフェリーのレベルも上がっていると思うし、レフェリーの心配はしていない」と“大人”の対応。アルベルト・ザッケローニ監督も「個人的には審判のことを心配することには慣れていない。自分のチームのことだけに集中している。いいプレーをして、しっかりサッカーをすれば、レフェリーのジャッジはそこまで関係ないと思う」と不安を一蹴した。

 敵はレフェリーではなく、“自分たちの中にある”と長谷部は言う。2日の北朝鮮戦は後半ロスタイムにDF吉田麻也が決勝点を決め、1-0の劇的勝利を飾った。翌3日に日本を出発し、現地での練習はわずか2日間。「北朝鮮戦は最後に点を取って、正直、選手がホッとしている部分もある。切り替えてプレーしないと足元をすくわれる」と気を引き締め、「チーム内の雰囲気を見てると、みんなそれは分かっている。そのあたりは問題ないと思う」と強調した。

 ウズベキスタンとは過去に7度対戦し、5勝2分と負けたことがない。とはいえ、長谷部も指揮官も「ウズベキスタンは近年、成長してレベルアップしている」と警戒を緩めない。南アフリカW杯アジア最終予選でもホームで1-1、アウェーで1-0と接戦を演じた相手。1月のアジア杯では、開幕戦で開催国のカタールを下すなど躍進し、4強入りを果たしている。

 ザッケローニ監督は「相手の力は分かっている。アジアで優れたチームであり、難しい試合になる。個人的には初めてウズベキスタンに来て、初めてウズベキスタンと試合をするが、内容も面白い試合になると思っている」とハイレベルな試合を歓迎。長谷部も「W杯(出場)を決めた試合も苦しい試合になった。きれいなサッカーにこだわるのではなく、泥臭いサッカーでも、球際とかそういうところを選手には要求したい」と力説していた。

(取材・文 西山紘平)

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