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[国体少年男子]闘争心むき出しのライバル対決は千葉が王者・東京撃破!

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[10.4 山口国体少年男子準々決勝 東京0-1千葉 山口きらら博記念公園]

 千葉が東京にリベンジ! 第66回国民体育大会「おいでませ!山口国体」サッカー競技少年男子は4日、準々決勝4試合を行い、山口市の山口きらら博記念公園サッカー・ラグビー場で開催された前回王者・東京対千葉はMF青木亮太(流通経済大柏)の決勝ゴールにより千葉が1-0で勝利。広島と戦う準決勝(5日)へ進出した。

 気迫と気迫とが激しくぶつかり合ったライバル対決。8月の関東代表決定戦で後半ロスタイムの失点によって敗れている千葉が雪辱勝利をあげた。東京はU-17W杯日本代表FW高木大輔とU-16日本代表FW菅嶋弘希(ともに東京Vユース)の強力2トップ。石渡靖之監督(船橋市教)が「守備の選手たちにとっては最高のトレーニング相手ですよ」と評した世代最高クラスの2トップを警戒する千葉は、動き出しの速いふたりをケアしつつ、パスの出し手である中盤、最終ラインへ強烈なプレスをかける。

「守備の時間が長くなってしまうだろうけれど焦れないでいければ、相手が慌てるだろうと。前半は0-0でいければいい」と指揮官が振り返ったように、千葉は小林大地小泉慶(ともに流通経済大柏)のダブルボランチらの好守によって東京の攻撃リズムを崩すことに成功する。激しいコンタクトの連続で、互いの選手がピッチに叩き付けられるような場面が続出。その中で東京は厳しい守りにも怯まず、根気強く攻撃をしようとしていたが、早い時間帯に奪われた先制点も影響してか、やや平常心を失っているように映った。より集中力と闘争心を発揮していたのは千葉だった。
 
 その千葉の先制点は前半7分に生まれた。FW宮澤弘(柏U-18)とのパス交換から右サイドでボールを持った青木が、クロスと見せかけてやや前方に位置していたGKの頭上を射抜くシュートを選択。角度のほとんどない位置から右足で放ったシュートだったが、GKの指先を抜けたボールはそのままゴール左サイドネットへと吸い込まれた。

 リードした後も好守からショートカウンターを浴びせる千葉は、10分に宮澤と小林がPAから立て続けに決定的なシュートを放つなど東京を押し込む。攻め手を欠いていた東京も25分に高木がディフェンスラインを突破して決定的な左足シュート。この日最大のチャンスともいえる場面だったが得点にはつながらなかった。

 一方、小林主将が「関東で1回負けているのでモチベーションが高かった。相手は上手いので守備が一番大事だった。そして勝ちたいという気持ちが上回ったと思う」と語る千葉は後半も集中力を維持。警告を受ける場面もあったが、それでも出足の鋭さは最後まで衰えなかった。

 関東代表決定戦では0-2から2-2へ持ち込んだものの、2点を先取されたことで自分たちのリズムで試合できないまま敗れた。それだけにこだわったゼロ。東京は後半、高木がスペースのある左サイドに張り、そこからの突破を交えて千葉の堅固な砦を攻略しようとしたが、なかなか攻撃のギアは上がらず、シュートにまで持ち込むことができない。ロスタイムにはPAへ飛び込んだMF山口陽一朗(東京Vユース)は相手ディフェンスによって潰され、高木のFKもDFの築いた壁によって弾かれた。「長く感じた」(小林)という6分超のロスタイムの攻防戦で退場者を出して10人になりながらも耐え抜いた千葉は、試合終了のホイッスルとともに歓喜を爆発。試合後、両チームの選手がエキサイトする場面もあったが、それほど勝利にこだわった両チームの熱戦は挑戦者の千葉が王者の連覇の夢を阻んだ。

[写真]前半7分、千葉MF青木(左)が右足で先制ゴール
(取材・文 吉田太郎)

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