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「長かった」、李がアジア杯決勝以来251日ぶりゴール

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[10.7 キリンチャレンジ杯 日本1-0ベトナム ホームズ]

 自然と笑みが漏れた。アジアを制した優勝決定弾以来のゴールを決めたFW李忠成(広島)が安堵のため息をついた。「点が取れない、取れない、取れないでは悪い流れになる。これを機に、逆にいい流れをつくれれば」。前半24分、MF長谷部誠のスルーパスに抜け出したFW藤本淳吾の折り返しを右足ワンタッチで流し込んだ。

 1月29日のアジア杯決勝・オーストラリア戦の延長後半4分で叩き込んだ左足ボレー以来、251日ぶりの代表でのゴール。「長かったし、取れないとまずい流れになる。FWとして出ているので、点を取る、取らないで気持ちの乗り方も違う」。貴重な先制点が結果として決勝点に。憑き物が取れたように、李の表情が緩んだ。

 負傷の影響でFW前田遼一が代表から遠ざかり、この日が5試合連続の先発出場だった。センターFWとしてゴールが求められているのは分かっていたが、なかなか結果が付いてこなかった。

 新ライバルの台頭もあった。9月2日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦で李と代わって代表デビューを飾ったFWハーフナー・マイク。タイプはまったく異なるが、北朝鮮戦は後半25分の交代で、続く6日のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦は後半20分にハーフナーと代わり、ベンチへ下がった。徐々に短くなる出場時間に危機感もあった。

 この日は新戦力のテストを兼ねた強化試合ということもあり、ハーフナーが初先発する可能性もあった。しかし、ふたを開けてみれば、3トップの中央に入ったのは李。「監督が信頼して使い続けてくれた。結果が欲しいと思っていた」と、ザッケローニ監督の期待に応えたかった。

「また頑張りたい。次も取れれば、もっともっとうまく乗れると思う」。李は視線を前に向ける。次戦は7日のW杯アジア3次予選・タジキスタン戦(長居)。勝ち点3はもちろん、大量得点が欲しい一戦だ。先発出場で奪った代表初ゴール。約8ヵ月ぶりの一撃を弾みに予選本番で連発を狙う。

[写真]251日ぶりの代表戦ゴールを決め、香川ら仲間の祝福を受ける李忠成

(取材・文 西山紘平)

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