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不振の香川を日本屈指のパサー2人が援護、“ホーム”で復活弾なるか

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 かつての本拠地で“きっかけ”のゴールを決める。日本代表は10日、試合会場の長居スタジアムで公式練習を行い、11日のW杯アジア3次予選・タジキスタン戦に向けて最終調整した。自身も認めるスランプに陥っているFW香川真司(ドルトムント)はチームだけでなく、自分自身にも弾みを付けるゴールを貪欲に狙っていくつもりだ。

「ゴールで自分もチームも勢い付く。そういう意味でゴールを狙っている」。2シーズン目を迎えたブンデスリーガではいまだ1得点と、昨季前半戦でMVPに輝いた当時の勢いがない。1日のアウクスブルクでは初の先発落ち。故障などを除けば、初めて出番がなかった。7日のベトナム戦でもプレーに精彩を欠き、らしくないミスが目立った。クラブ、代表の両方で主力を務めることによる過密日程、長距離移動や時差など、コンディション調整に苦しんでいる。

 そんな背番号10の完全復活をチームメイトがバックアップする。MF遠藤保仁(G大阪)は報道陣から「香川が不調では?」と聞かれ、「期待が大きい分、そう思われるのは仕方がないけど、調子が悪いとか気にせずやればいいと思う」とかばい、「前を向いたら何でもできる選手なんだから、自信を持ってやればいい。僕らはよりフリーの状態でパスを出せるようにしたい」と、プレー面での全面サポートを約束していた。

 日本屈指のパサー2人が香川の良さを最大限に引き出す。タジキスタン戦は4-2-3-1のシステムで臨むことが確実で、ボランチの遠藤とともに、トップ下にはMF中村憲剛(川崎F)が入る可能性が高い。ベトナム戦は遠藤が欠場。中村も後半からの出場だったため、前半のみで交代した香川が一緒にプレーする時間はなかった。

「前にボールを入れてくれるし、スルーパスとかも入れてくれる。やりやすい」。遠藤の復帰を熱望する香川は中村とのプレーについても「岡田さんのときからずっとやっているし、いつも僕のことを見てもらっている。愛情のあるパスを出してくれるし、明日はすごく楽しみ」と、不安以上に試合が待ち遠しい様子だった。

「目の前の試合に向けて自分のプレーをするだけ。それをやり続けることに意味がある。次の試合も自分にできるプレーをして、考えずに無心でプレーできれば。ドルトムントに帰ってもいいリズムでできるように、明日の試合も集中してやりたい」

 タジキスタン戦の会場は、10年夏までプレーしていたC大阪の本拠地・長居スタジアム。「知り合いもいっぱい来ると思うし、点を取りたい。セレッソの選手とか関係者も来ると思うし、そういう意味でもいい試合ができれば」。“ホーム”でスランプ脱出のゴールを。本来の輝きを取り戻すための舞台は整った。

[写真]公式練習はリラックスした雰囲気で行われた

(取材・文 西山紘平)

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