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トップ下で6発演出!!402日ぶり先発の憲剛が1G3Aで歴史的大勝に導く

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[10.11 W杯アジア3次予選 日本8-0タジキスタン 長居]

 402日ぶりの先発ピッチで躍動した。4-2-3-1のトップ下でザックジャパン初先発を飾った日本代表中村憲剛(川崎F)が1得点3アシストを記録。計6得点に絡む活躍を見せ、トルシエ元監督時代の00年10月17日のアジア杯・ウズベキスタン戦(8-1)以来、11年ぶりとなる1試合8得点のゴールラッシュを牽引した。

 7日のベトナム戦(1-0)に後半開始から出場し、昨年10月12日の韓国戦以来となる代表戦出場を果たしていた中村だが、先発は原博実監督代行が指揮した昨年9月4日のパラグアイ戦(1-0)以来、約1年1ヵ月ぶり。それでも「代表に入っていない間も試合は見ていたし、今日出ているメンバーはほとんどやったことのあるメンバー。違和感はなかった。確かにブランクはあったけど、すんなり入ることができた」と強調する。まさにその言葉通りの“独り舞台”だった。

 前半11分、右サイドをオーバーラップしたDF駒野友一とのパス交換からFWハーフナー・マイクの先制点に絡むと、同19分にはスルーパスでFW岡崎慎司の追加点をアシスト。「あいつ(岡崎)は最短距離を突くし、俺も最短距離を突きたいから、利害が一致している」。岡田武史前監督時代に南アフリカW杯出場を決めた09年6月6日のW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦(1-0)の決勝点に代表されるような“憲剛→岡崎”のホットラインは健在だった。

 前半35分には自らのシュートのこぼれ球を駒野が蹴り込み、3-0。さらに同41分、FW香川真司と入れ替わるように左サイドのスペースに流れると、鋭いスルーパスで香川のゴールをアシストした。前半の全4得点を演出し、後半に折り返すと、待ちに待った瞬間がやってきた。

 後半11分、DF長友佑都からPA内左でパスを受け、左足でゴール右隅に流し込む。09年9月10日のガーナ戦(4-3)以来、約2年1ヵ月ぶりの代表での得点。自身6本目のシュートで761日ぶりのゴールを決め、「今日はアシストもだけど、トップ下だからゴールが欲しかった。ちょっとエゴイスティックなところがあったのはらしくないけど、トップ下がゴールを狙うのは当たり前」と胸を張った。7-0で迎えた後半29分には左クロスで岡崎のダメ押しゴールを演出。3アシスト目を記録し、8-0のゴールラッシュを締めくくった。

 FW本田圭佑不在の中、3試合連続で1得点にとどまるなどチームを覆っていた沈滞ムードを完全にかき消した。ボールポゼッションは日本が71.7%。シュート数は39本を数え、被シュートはわずか1本。「相手も相手だったし、満足感はあるけど、これを厳しいレベルでもやれれば、もっと充実感もあると思う」。喜びも控えめに中村が言うように、参考にならない相手だったかもしれない。それでも、9月2日の北朝鮮戦(1-0)でMF柏木陽介、同6日のウズベキスタン戦(1-1)でMF長谷部誠をトップ下に起用するなど模索し続けた本田の穴埋めとして、一つの解決法が見えたのは間違いない。あらためて存在感を示した中村憲剛。もちろん、ただの本田の“代役”で終わるつもりもない。

[写真]ゴール後、両手の人差し指を突き上げて喜ぶ憲剛

(取材・文 西山紘平)

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