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日本vsタジキスタン 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[10.11 W杯アジア3次予選 日本8-0タジキスタン 長居]

 ブラジルW杯アジア3次予選は11日、各地で第3戦を行い、日本代表は大阪・長居スタジアムでタジキスタン代表と対戦し、8-0で大勝した。11年ぶりとなる国際Aマッチ1試合8得点のゴールラッシュでタジキスタンを一蹴。2勝1分の勝ち点7に伸ばし、得失点差でウズベキスタンを上回り、C組単独首位に立った。日本が11月11日のタジキスタン戦に勝ち、同日行われるウズベキスタンvs北朝鮮戦でウズベキスタンが勝った場合、2試合を残して日本とウズベキスタンの2位以内が確定し、最終予選進出が決まる。
以下、試合後の監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「我々にとって大きな期待が懸かる試合だった。チームの持っている精神、雰囲気をチェックしたいと思っていたが、選手の反応はポジティブなものだった。結果は大切だが、このチームの歩み、歴史はここで終わるわけではない。まだまだ成長を続けていかなければならない。その意味で、結果と内容の両方が付いてきた試合だったと思う。試合の入り方、チームとしてのゲームへのアプローチに不安もあったが、選手たちは開始から最後まで集中し続けてプレーしてくれた」

―3人の交代については?
「ベンチに下がった3人は、少しフィジカルコンディションに不安を抱えていた。ケガのある選手もいたので交代させた。本当ならあと数人代えたかったが、カードは3枚だけ。交代には、ベトナム戦で活躍した、よくやってくれた選手もプレーの場を与えようという意図もあった」

―前半途中から左の香川と長友が高い位置を取っていたが、その後、右の岡崎と駒野に指示を出してバランスを取ろうとしたのか?
「右サイドにある我々のポイントを整理、確認しようとした。その時間帯は中に入っていたので、あまり入りすぎず、外に選手を配置して相手のDFラインを広げるように言った」

―最終予選進出の可能性が高まったが、ホッとしているか?
「いつもは試合が終わったらリラックスしているが、これからまだ3つの大切な試合が残っている。アウェーの北朝鮮戦のような難しい試合もある。我々は成長を掲げているし、その歩みを止めてはいけない。強い相手、弱い相手との試合を通じて成長しながら前に進んでいきたい」

―8得点できた一番の要因は?
「我々はチームの特徴として、多くのチャンスをつくらないと勝利できない傾向がある。それは決して長所ではないと認識している。しかし、我々にはたくさんのチャンスをつくれるという長所がある。ベトナム戦もたくさんのチャンスがあったが、結果として1点しか入らなかった。一つ要因を挙げるとすれば、ベトナム戦はラストパスの精度が低かった。また、ベトナム戦と比べてオフザボールの動きが増えたと思う」

―先発起用した中村とハーフナーに期待したことは?
「中村には普段本田がやっているポジションに入ってもらったが、彼がやっているようにできるだけバイタルエリアでボールを受けて引き出してくれと指示した。ハーフナーにはこれまでのチームにはない形を引き出してくれと言った。三角形のコンビネーションだけでなく、ボールをサイドに運んだときもハーフナーに当てられることで、幅ができたのではないかと思う」

―家族が見に来ていたようだが?
「家族はベトナム戦と今日の2試合を見た。時間がなくて、挨拶するのがやっとだった。家族は大阪、奈良、京都を回り、私と同じように日本をとても気に入ってくれ、日本のことをよく知りたいと思ってくれている」

―今日の一番の収穫は?
「内容が良かった理由は2つあると思う。試合へのアプローチが良く、全員が集中して試合に入った。もう一つは、ボールを早く動かし、オフザボールの動きを含めて全員が気持ちよくボールに触れた」

―前半を4-0で折り返して、もっと点を取りに行くように指示したのか?
「私はゴールを狙えという表現はあまりしない。ゴールはプレーの出来の延長戦上にあるからだ。前半のようにボールを動かし、11人がきちんとプレーして、オフザボールの動きを忘れずにプレーしようと指示した」

―香川がゴールしたことでチームにもいい影響があるか?
「香川は韓国戦で2点取っているし、その後は3試合しかない。つまり4試合ぶりにゴールを決めたということ。香川はサイド、トップ下、エリア内で仕事ができる選手で、我々にとって非常に大切な選手だと認識している。チームの中でその能力を発揮してくれればいいし、本人も努力して取り組んでいる。本人もいい感じで試合ができたのではないかと思う。ただ、今日のような内容でチーム全体がプレーできれば、香川がゴールを決めなくても、李や中村や岡崎や他の選手が決めてくれる。その意味でもこうした内容の試合を続けることが大事。当然、香川がゴールを決めたことはうれしく思うが、よりうれしく思うのは前の試合に比べてオフザボールの動きが増えたこと」

―ハーフナーが先制点を決め、サイドからも崩すことができた。監督のプランが体現され、気持ちのよい試合だったのでは?
「Jリーグでゴールを量産しているハーフナーを見たかったし、相手は中を固めてくると予想していた。実際にタジキスタンはそうしてきたので、サイドからのクロスを無駄にせず、有効利用したいと考えて決断した」

(取材・文 西山紘平)

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