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「大きなヤマ」を制した鳥栖が13戦無敗、千葉は昇格へ崖っ縁…

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[10.26 J2第7節 鳥栖1-0千葉 ベアスタ]

 2位サガン鳥栖と5位ジェフユナイテッド千葉の昇格争い直接対決は、鳥栖がFW豊田陽平の決勝点で1-0と競り勝った。これで4試合連続の無失点で13戦負けなし(10勝3分)。2位の座をキープし、この日敗れた首位・F東京との勝ち点差を4に縮めると、残り6試合で昇格圏外となる4位・徳島との勝ち点差を5に広げ、初のJ1昇格へ大きく前進した。

「今日の試合は大きなヤマだった。よくみんなで乗り越えたと思う」。昇格争いの行方を占う大一番を制した尹晶煥監督が試合後のインタビューで胸を張る。連続無敗記録を13試合に伸ばし、「うちの選手が新たな歴史を1ページずつ刻んでいっていると思う」と、悲願のJ1昇格を大きく手繰り寄せる1勝を素直に喜んだ。

 鳥栖にとっては苦しい試合だった。神戸清雄新監督就任2戦目の千葉は今季13得点でチーム得点王のFW深井正樹が出場停止。代わってFW林丈統が11試合ぶりに先発した。システムは前節・栃木戦(0-0)同様、MF佐藤勇人をアンカーに置く4-3-3。高い位置からのプレッシャーとコンパクトな守備で試合の主導権を握る。しかし、鳥栖も粘り強いディフェンスを見せ、試合は拮抗した展開が続いた。

 先に決定機をつくったのは千葉だった。前半37分、林の左クロスをFW久保裕一が頭で落とし、PA外からMF米倉恒貴が右足ボレーを放つが、GKが好セーブ。同44分にも相手のクリアミスを拾い、最後は米倉がシュートを狙ったが、大きく浮いてしまった。

 0-0のまま後半に折り返しても千葉が優勢に試合を進めるが、なかなか決定機をつくれない。後半14分、DF山口慶の折り返しのこぼれ球を米倉が左足でシュートを打つが、これもGKがセーブ。堅守から虎視眈々とゴールを狙っていた鳥栖は後半24分、数少ないチャンスを生かし、セットプレーから先制に成功した。

 右後方からのMF藤田直之のFKに豊田が打点の高いヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らす。「自分のイメージしたところに藤田が蹴ってくれて、うまく合わせることができた」。得点ランキングトップを走る豊田の今季通算16点目で鳥栖が均衡を破ると、その後も組織的な守備で千葉の反撃を跳ね返した。「堅守がうちの売りなので、しっかりそこは出せたと思う」と豊田。4試合連続の無失点に抑えた守備陣の奮闘にエースが応え、「絶対に落とせない試合だった」という決戦を制した。

 千葉は後半30分、DFマーク・ミリガンのロングスローから逆サイドのDF竹内彬が左足ボレーで合わせるが、枠を捉え切れず。最後まで1点が遠く、3試合連続の無得点で4試合白星なし(1分3敗)。順位は5位のままだが、昇格圏との勝ち点差は5に開き、6位に浮上した東京Vにも勝ち点3差まで詰め寄られた。次節はホームで4位徳島との直接対決。守備の要である竹内を累積警告で欠く中、負ければ昇格が絶望的となる背水の一戦に臨む。

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