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被災地に届けるタイトルを、小笠原「この舞台に立つまでにいろんなことがあった」

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 ただのタイトルではない。いよいよ明日29日に迫ったナビスコ杯決勝。前夜祭に出席した鹿島アントラーズのMF小笠原満男は「この舞台に立つまでにいろんなことがあった」と、言葉少なながらも、特別な思いを胸に秘めていた。

 3月11日に起きた東日本大震災。被災した鹿島はクラブハウスが損傷するなど、チーム活動が一時休止を余儀なくされ、リーグ再開後もしばらくはカシマスタジアムを使用できず、国立競技場を代替の本拠地とした。

 岩手県出身の小笠原は、地元が甚大な津波被害を受けた。震災直後に母校である岩手県大船渡市の大船渡高や避難所を訪問。5月には東北6県出身の現役Jリーガーとともに有志団体「東北人魂を持つJ選手の会」を設立するなど、被災地支援を継続的に続けている。

 ピッチ外での活動とともに、ピッチ内でのプレーでも被災者に勇気や元気を届けたい。被災クラブとして、被災地出身の1選手として、全身全霊で今季を戦ってきたが、ACLはベスト16敗退に終わり、Jリーグも優勝の可能性が消滅した。苦しんだシーズンの最後に、被災地へ届けるタイトルが何としても欲しい。

「明日の勝利はただの1勝じゃない。タイトルが懸かった試合で、優勝できる大きなチャンス。一つのタイトルが獲れるチャンスという認識でいる」

 ナビスコ杯決勝で浦和と対戦するのは3回目。02年大会決勝では自身の決勝点で1-0の勝利を飾ったが、03年の決勝は警告2枚で退場処分を受け、チームも0-4の大敗を喫した。8年前のリベンジも含め、特別なシーズンである2011年に「東北人魂」でタイトルをつかみ取る。

(取材・文 西山紘平)

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