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[選手権]被災地を代表して臨む尚志、「頑張っているところを見せたい」

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 第90回全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が21日、都内で行われ、尚志(福島)は初戦となる来年1月2日の2回戦で守山北(滋賀)と対戦することが決まった。

 被災地を代表して全国選手権に臨む。今年3月11日に起きた東日本大震災。福島県郡山市に位置する尚志サッカー部も、甚大な被害受けた。校舎の一つは半壊し、グラウンドにも亀裂が入った。震災直後は当然、練習を行うことができず、3月27日から4月4日まで仲村浩二監督の母校である千葉・習志野高のグラウンドなどを使い、練習を再開させた。

 習志野合宿後、郡山市に戻ってからも福島原発事故の影響で屋外での部活動ができず、他県のグラウンドを転々とした。自分たちのグラウンドで練習を再開できたのは震災から約3ヵ月後のこと。それでも、日本サッカー協会の配慮により5月4日に初戦が延期された高円宮杯プレミアリーグイーストを戦い、夏には全国高校総体で8強入りを果たした。

 そして、3大会連続となる全国高校選手権出場。県大会決勝では、福島原発の避難区域に入り、避難先の厳しい環境下で練習を続けてきた富岡を2-0で下した。尚志の三瓶陽主将にも、中学時代の友人が多数、富岡にいた。「家が流されて、避難所で生活していた友達もいた」という。試合後は「全国でもがんばって」というメールも受け取った。富岡のためにも、福島県のためにも、被災地代表として絶対に負けるわけにはいかない。三瓶は力強く誓う。

「ミーティングでも被災地の映像などを見て、サッカーをやれる喜びを考えながらやってきた。それは今も変わらないし、プレッシャーにはならない。福島県代表として注目されるのは、いい意味で自分たちが目立てることになる。メディアにたくさん取り上げてもらえれば、福島の多くの人に見てもらえる。福島を代表して頑張っているところを見せていきたい」

(取材・文 西山紘平)

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