beacon

[五輪最終予選]日本vsシリア 試合後の選手コメント

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.27 五輪アジア最終予選 日本2-1シリア 国立]
 ロンドン五輪アジア最終予選は27日、第3戦を行い、U-22日本代表は東京・国立競技場でU-22シリア代表と対戦した。ともに2戦2勝同士の首位攻防戦は、前半45分にDF濱田水輝(浦和)が先制点。後半30分に同点に追い付かれたが、同41分、FW大津祐樹(ボルシアMG)が2戦連発となる決勝点を決め、2-1で競り勝った。最終予選3連勝を飾った日本はシリアに勝ち点3差を付け、C組首位に浮上。ロンドン五輪へ、また一歩前進した。

以下、試合後の選手コメント

●FW大津祐樹(ボルシアMG)
―得点シーンは?
「比嘉からいいボールが来るのは練習から分かっていた。短い合宿だったけど、個々の選手のいいところをつかめていたので。ゴールへの貪欲さというか、あそこに入れば、点を取れる感覚があった。大外の選手に付くのはDF的に難しい。それを利用して逆サイドから入っていくのは自分で決めていた。イメージどおり。そこで結果を出せたのはよかった」
―先制しながら追い付かれた。
「1点取られたことでよりゴールへの意識が出た。ただ、先に2点目を決めていればもっと楽な試合展開になったと思うし、そこは反省点。前半はいい形でボールが回っていた。先制点を取ったあと、決め切れないシーンが続いて、そこで決めないと、ああいう流れになる。そこは気をつけないといけない」
―失点シーンは個人の力でやられた。
「10番は相当いい選手。映像を見て警戒していたけど、それ以上のプレーをしてきた。(鈴木)大輔と(濱田)水輝で抑えているところもあったし、失点のところはコミュニケーションの問題」
―2戦連発だが?
「自分は結果を出すことにこだわってやっている。向こうで調子がよくて、調子を維持したまま来れた」
―ドイツでやってきたことが自信になった?
「今日やって自信になったというより、ドイツに渡って、毎日の練習から戦っている。向こうは相当レベルが高いし、上にはもっといる。そこで戦えていることが成長につながると思うし、これぐらいのパフォーマンスができて当然の場所で戦っている」
―監督にもいい報告ができる?
「監督からは笑顔で『点を取って来い』と言われていたし、いい話を持っていける。監督にもそういう話は入ると思うし、いいことだけど、チームはチーム。チームも調子がいいし、自分よりいい選手がたくさんいる。でも、負けたくないし、それを越えたい。練習から戦っていきたい」
―ドイツに行って一番変わった部分は?
「日本でやっているときより、もっともっと自分らしさを出さないといけない。この4か月ですごい成長したと思っている。それを証明できてよかった」
―3連勝で首位に立ったが?
「勝つことだけを考えてやっていた。大きな1勝だと思うけど、一戦一戦が落とせない戦い。全勝で突破するのがチーム全体のイメージだし、それを崩さずにいけてよかった」
―国立は壮行セレモニーを行った場所だが?
「ここで挨拶できたことは大切な思い出だし、絶対に結果を残してやろうと思っていた。国立で結果を残せたことはすごくうれしい」

●FW大迫勇也(鹿島)
―惜しいシーンがあった。
「チャンスがあったので、決めたかったですね。ゴール前で落ち着いてしっかりやれれば決められた。悔しいです」
―ポストプレーはかなり良かった。
「ある程度やれたと思う。でも、ほんとゴールを決めたかった。FWはどれだけおさめても、ゴールで評価されるので」
―どう修正する?
「これからも続けて打っていくしかないです。質を上げるのも大事ですけど、打っていくことが大事。あとはゴール前で落ち着いてやることですね。もっと練習したい」
―2月のアウェー・シリア戦は、また大一番となる。
「次のアウェー戦で勝てば、五輪出場に向けて大きいと思う。しっかり点を取って勝ちたいです」

●MF東慶悟(大宮)
「あのまま1-0でいけるのが一番よかったけど、勝ち越せたことはチームとして大きい。苦しい中、勝ち越せたのはよかった」
―大津が2試合連続でゴールを決めたが?
「大津くんに限らず、この試合に関しては、みんないいプレーをしていた。大事な試合だというのは分かっていたし、最後決めてくれて助かった。自分も決めたかったけど、チームが勝ってよかった」
―惜しいシュートもあった。
「(山田)直輝に当たっちゃったので。残念だけど、チームが勝つことが大事」
―シリアとは次にアウェーで対戦するが、厄介な相手だった?
「久しぶりに強い相手とやったなという印象だった。アウェーだと相手のレベルは上がる。苦しい戦いになると思うけど、チームで勝ち点を持って帰りたい」
―相手の10番が脅威だった?
「失点シーンは10番の勢いにやられた。同じことをしないように注意しないと。全体的にはうまく守れていた。決められるところもあったし、決定力を上げたい。うまく連動したパス回しはできていた」
―初めての国立でのプレーはどうだった?
「楽しかったです。初めての試合をこういう形でできたので、いろんな人に感謝したい」

●MF山田直輝(浦和)
「勝ったことが一番ですかね。前半は、最後までいい形で崩していて、点が取れないという状態が続いていました。でもやっぱりセットプレーがカギになるという話をしていて、そのセットプレーで点を取れたのが良かったと思います」
―後半は?
「後半15分までに決定的なチャンスがたくさんあったので、そこで僕を含めて前がしっかり追加点を入れないとやっぱり厳しい試合になる。相手がアウェーだけど負けられないという感じで前に出てきた。ロングボールが多くて、それでこっちが間延びして、後ろから組み立てるのが難しくなったと感じました」
―後半は山田選手もシュートを積極的に打っていたが?
「決めてやろうというより、いい時間帯だったので、1点取りたかったです。僕じゃなく、チームで1点取りたかったけど、それができなくて難しい試合になりました」
―濱田は成長していると感じる?
「背もあるし、力も強いのでボールさえ来ればいけると思っています。成長したとかは思っていません。昔から持っているポテンシャルです」
―ファーストタッチがヘディングだったが?
「ちょっとびっくりしましたが、しかもまともにここ(右目上)に当たったので、血が出ていないかなと思いましたけど、全然大丈夫でした。試合になったら大丈夫だと思っていました」
―今日感じた反省点は?
「チームに点を取れないということで迷惑をかけたので、そこを詰めていかないとアジアの戦いでは難しいなと感じました」
―交代で下がるときはどういう気持ちだった?
「自分が替わったときにイーブンの状態になってしまっていた。決定機で入れていれば4点くらいは入っていたと思うし、そのうち1点でもいいから入れていればもっと楽だったので、申し訳なかったと思いました。大津君が決めたときは、ホッとしたというか、感謝の気持ちでした。大津君も90分出ていて、僕らと同じ前でやっていたので、たぶん大津君も申し訳ないという気持ちが少しはあったと思う。そういう中で決めてくれた。後ろの人たちには試合が終わったあと、勝ちましたけど、ごめんと言いました。次はしっかり点を入れて、後ろをもう少し楽にさせてあげたいです」
―大津選手が入って、チームにいい影響が出ているのか?
「大津君はドリブルもできるし、叩くこともできる。近くにいてフォローしてあげられれば、一人でも打開できるし、チームとしてもできるので、いいアクセントというか、今日もたぶん相手は大津君のドリブルを嫌がっていたと思うので、そういうところでプラスのことが多かったなと思います」
―レッズが昨日勝った。
「そうですね。ここ10日間、(日本代表)合宿とレッズの両方が緊迫していたというか、一つも負けられない試合で、レッズの方の力にはなれなかったけど、続いていたので、とりあえず少し落ち着いたかなと思います」
―気になっていた?
「気になっていました。けどこっちの仕事もしっかりこなさないといけないし、100%集中してやっていたつもりです。試合はiPhoneで見ていました。練習帰りだったので、バスで見るしかなかった。最後の20分、30分くらい見られました。アドレスを知っている人で試合に出ていた人に『ありがとうございました』と6人くらいにメールを送りました」
―このあとは?
「まだ今年、Jリーグと天皇杯がある。そこで成長しない限りは、オフ中は試合がないので、実戦で成長できないので、そこにこだわってやっていきたいです」
―シリアは?
「1-1になったあとは時間稼ぎをしてきていた。ホームでどうにかしてやろうという感じだったので、思っている以上に大きい勝ち点3だったと思います。課題は、ロングボールのあとのセカンドボールを拾うことと、ロングボールが来ても間延びしないということ。攻めきったあとのカウンターが多いので、GKにキャッチさせないとか、相手にいい形でボールを蹴らせないということが大事なのかなと思います」

●MF扇原貴宏(C大阪)
―試合を振り返って。
「勝ち点3が取れたのはよかった。でも、前半は日本らしいサッカーができたけど、後半は相手のペースに飲まれてしまった。失点もしてしまって、そういうところは課題です」
―失点の要因は?
「もう少しはっきりしたプレーをしないといけなかった。しっかりクリアするとか、集中してやらないといけない」
―前半45分にショートCKで先制点をアシストした。
「水輝くん(濱田)がうまく合わせてくれた。CKの戦略は? CKはその場で考えてやっている。ショートCKは、相手に隙があったらやろうと思っていた」
―試合内容は悪くなかった。
「前半はボールを繋ぐこともできて、いい攻撃ができた。後半になって、ボールの奪い合いになって、セカンドボールを拾われた。自分たちが拾えるようにしないといけない」
―10番のアルスマを抑えるのがポイントだったが、ゴールを決められた。
「個人の力があって、中央を突破された。次はやられないようにしたいです」

●DF濱田水輝(浦和)
―セットプレーから先制点を決めたが?
「相手が(マンマークではなく)スペースを見ている感じだったので、あのときはパスを回したらボールウォッチャーになって、そこが空くかなと思って入っていきました。かすった感じです。うまくコースが変わって入りました」
―相手の10番が厄介だったが?
「10番(アルスマ)はビデオを見ても手強いFWだということは分かっていたけど、やってみてもやっぱり強かったし、ボールを運べるし、意外性のあるプレーをしていた。シュートも打ってきたし、久しぶりに強いFWとやったなと思いました。失点のシーンは僕と(鈴木)大輔君と酒井(宏樹)の3人でボールにいって、3人行ったのに1人にボールを運ばれてしまった。あれは絶対にやっちゃいけないことだし、ファウルでもいいから止めるべきだったと思います。あそこは反省点です」
―勝ったことが大きい?
「勝つことがすべてだと思っていたので、勝って良かった。シリアは2勝しているので、ホームで引き分けてアウェーに乗り込むのはけっこう厳しいと思っていた。勝てて良かったです」
―現時点で感じている次の対戦時の課題は?
「10番がキープレイヤーになると思うし、あそこがかなり力強いドリブルをしてくるので、そこをどう止めるか。ハイボール、勝てないにしてもカバーに入って、中途半端なプレーをしない。しっかりつなぐか、裏を狙うかをはっかりしたいと思います」
―浦和は土曜日に福岡に勝った。
「(J1残留が)ほぼ決まったと思うので、(最終戦に)出られるかどうか分かりませんが、出られたら堀さんに恩返しというか、堀さんが目指しているサッカーをして、勝って、最後にサポーターと一緒に喜べたらいいと思います」

●DF比嘉祐介(流通経済大)
―大津の決勝ヘッドをアシスト。良いクロスだった。
「最悪、CKが取れればいいと思って上げた。決めてくれてよかったです」
―中は見ていた?
「中は見てなかったです。大津が決めたところは見えました」
―クロスは狙い通り?
「サイド攻撃は練習でやっていたけど、それがうまく、最後に出ました。シリア対策でやっていた? いえ、チームの戦術としてやっていました」
―最後の最後でもスピードを発揮できた。スタミナは?
「スタミナ的にはきつかったけど、最後、90分間やれて良かったです」
―勝てたことは大きい。
「次は、アウェー(のシリア戦)だったので、厳しい試合だと思った。きょう勝てて良かった」
―どういうプレーをしようと試合に臨んでいた?
「自分はアウェーの試合(22日のバーレーン戦)でぜんぜ上がれなかった。今日は前に上がることが課題だった」
―この試合で見えた課題は?
「もっといい形で攻撃参加してクロスを上げたい。今日は2本くらいだったと思う。もっとフリーな状態で上げられるようにしたい」

●DF鈴木大輔(新潟)
―結果を振り返って。
「厳しい戦いでしたけど、しっかり結果が出てよかったです」
―警戒していた10番のアルスマはどうだった?
「キープができて、一人で打開できる選手。もう少し2人で対応できればよかった。チャレンジ&カバーで対応しないといけなかった」
―失点シーンは、その10番に間を抜かれて決められた。
「一発で抜かれましたね。(挟んだDF酒井宏樹と)お互い譲りあったところがある。反省しています」
―あれが最終予選初失点でした。
「これから失点しないようにしないといけない。失点すると、チームは苦しい状況になる。今日は1-0で守りたかった。もう一回、個人のところを見直したい」

●DF酒井宏樹(柏)
―シリアとは来年2月にもアウェーで対戦するが?
「相手も2勝してきていたので、強いとは思っていた。2勝同士の試合。苦戦するとは思っていた。中東でやったら、また相手も強くなる。オフを挟むけど、しっかり準備して、キャンプもあると思うし、コンディションを上げていきたい」
―失点シーンは譲り合った?
「自分が前に出ていたので、クリアしちゃえばよかった。PKが怖かったというか、あの場で判断しないといけなかった。でも勝てたことがよかった。前の選手に感謝したい。ミスを後悔するより、もっともっといいプレーをしていきたい」
―10番は映像で見ていたよりもやりづらかった?
「映像ではもっと遠くからもシュートを打っていた。そこは早く寄せられていたと思う。あの場面もチームとしてやられたわけではない。自分のミス。連係が悪くなるとかはない」

●GK権田修一(F東京)
―最終予選初失点を喫した。
「あの時間帯の失点は防がないといけなかったけど、きょうは勝ち点3を取ることが大事だった。勝てたので良かったです」
―たしかに、これで首位に立った。
「引き分けや負だったら、次のアウェーでのシリア戦がきつかった。今日勝って、次に負けてしまったらイーブンになるけど、きょう勝ち点3が取れたことで、向こうはプレッシャーがかかると思う。(引き分けや負けだったら)うち(U-22)も力み過ぎていたと思うけど、これで変な力の入り方はしないと思う」
―比嘉のクロスは良かった。
「比嘉がああいうクロスを上げたのは見たことがなかった。あそこで上げられるのはさすがだと思った。前半もシュートを打ったり、積極的だった」
―勝ち越せたのは、チームの成長の証では?
「点を取られてもバタバタしなかったのはチームとして成長していることだと思う。今日はあの時間(後半41分)に点が取れた。あせらずにやれたことが良かった。前やった(6月の2次予選でアウェーで戦い、逆転負けした)クウェート戦を活かして、成長できていると思う」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

▼関連リンク
ロンドン五輪男子アジア最終予選特集

TOP