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玉乃淳が直撃! ヘタフェに練習参加の神戸FW都倉、「今後の自分の目指す所は、そこにあるのかなと」

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 ヴィッセル神戸のFW都倉賢が今月12日から約1週間、スペイン1部のヘタフェに短期留学した。最初はBチームで、その後トップチームの練習にも帯同。夢という将来的な海外移籍に向けて手応えをつかんだようだ。今回、サッカージャーナリストで、元Aマドリーユースで、東京Vなどで活躍した玉乃淳氏がインタビューを行った。

-まさか都倉にインタビューする日がくるとは思わなかったよ!!
「ジュンちゃんとはザスパ草津時代、良く宇宙の話しを一緒にしたよね(笑)」

-そうだね、宇宙の話しばかりしてたから今回、サッカーの話しを真剣にするのは初めてかもね。J2草津時代は香川に続いて得点ランキング2位になり、神戸に移籍。定位置を掴むも、怪我などの不運にも見舞われてこれまで本領をまだ発揮していないといった印象だが……
「今年夏ごろまで調子良く来てたんだけど、これからって時に怪我をして、長期離脱を強いられた。始めは無念感や絶望感にさいなまれたけど、人生で初めてと言っていいほどサッカー選手としての自分、一人の人間としての自分と向き合える時間ができた。今はあのリハビリ期間が今後の自分の人生において、掛け替えの無い時間であったと確信をもって言えるんだ」

-今回のオフの期間を利用しての海外チーム(スペイン1部のヘタフェ)への練習参加も、リハビリ期間に得た何かが、影響しているの?
「入院中に『龍馬がいく』を夢中になって読んだ。龍馬は、なんてフロンティア精神の持ち主なんだ……と。丁度、今の僕の年齢の時ぐらいに脱藩(家族や、生まれた場所を全て捨てる意味を持つ)をし、志をもって日本の将来を考え、世界を知ろうとする開拓心。単純ながら広い世界をもっと見てみたいと龍馬に触発された」

-海外志向が強かったトクなのに、これまでは実際、外にでてみようと思った事はなかったの?
「僕のコレまでの考え方は日本で結果を出し、日本代表で活躍してから海外からのオファーを待つ、という概念しかなかった。しかし、この本に出逢って海外でプレーしたい!!  と強く願ったら本当に実現できるのではないかと……結果、『思考が現実化する』ことを体感した」

-最初数日間は、ヘタフェのBチームでの練習参加だったけど、トップチームで練習する時までの、いい準備期間になったんじゃない?
「Bチームは18歳~23歳までの若い子が多かったんだけど、とてもレベルが高かった。Bチームとはいえ、言葉の壁や環境面をクリアしないとBチームでも活躍するのは難しいのではないか……。人間性や積極性も大事で、無理してでもグイグイいかないと、よそ者で終わってしまうと感じた」

-トップチームは更にレベルが高かったよね?
「やはり、全然違う。体格がそもそも違うし、あたりの強さやポテンシャルの高さは、ウォーミングアップ時のランニングをする姿を見ただけで伝わってきた。基本技術がしっかりしていて、どんなプレーもシンプルにでき、力の入れ方や、ここぞという時の力の発揮の仕方がハンパではない」

-ヨーロッパカップ、リーガと2試合を観戦したけど、練習中、肌で感じたことを、試合を見て再確認できたのでは?
「ホントにそう。アトレティコの試合を2試合見たんだけど、ファルカオのプレーなんかはまさにそうで、ペナ以外の所はシンプルにプレーし、絶対ボールを取られない位置にコントロールしている。そこに派手さは無いのだが、いざペナの中に入ると、もの凄い迫力。今後の自分の目指す所は、そこにあるのかなと、多いに刺激を受けた」

-今回の海外挑戦を終え、今何を思う?
「日本だけにとどまっては、得られない感性があるなとザスパ時代のヒロ君や(廣山)、神戸で一緒のヨシト君(大久保)、ツネさん(宮本)、相ちゃん(相馬)から感じる。 人として、何か言葉には言い表せない魅力がある。海外で、文化としてのサッカーを経験している選手達はサッカー人としてだけではなく、人間として、勝利しているように感じるんだよね。挑戦した人にしかわからない何かが、そんな匂いを漂わしているんじゃないかと……。

 人生を長いスパン(80年)で見たら凄く重要なことではないか…。世界を知ることで、本当の意味でのモノの価値が分かるのではないかと、身近な先輩達を見ていると思うんだ。常に世界を意識し、挑戦し続けていけば、『本物の価値』の正体が、数年後に分かると思う。偉人、スティーブジョブスが『人生でおこることは、いつか点と点が繋がる』と、言っていたけど、今回のスペイン挑戦も近い将来、何かと『繋がる』!! と、確信している」

-海外移籍、日本代表、ワールドカップ……。今後のトクに期待大だね!!  サッカー界の坂本龍馬になってくれ!! 顔だけだったら、もう既になっているもんな。海外女性からもキャーキャー言われていたもんな(笑)
「頑張ります(笑)」

(取材・文 玉乃淳)


A・マドリーユース出身で、東京Vや草津などでプレーし、現役を引退した玉乃氏がサッカージャーナリストに転身。テレビや雑誌などで仕事をしている。
オフィシャルブログ玉乃淳の元気玉ではスペインサッカー情報などをお届け中。またツイッターも開設@JUNTAMANO1しています。

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