beacon

エースに代わる川崎Fのブラジル人トリオ「タイトルを取るために来た」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨年11月25日に川崎フロンターレからの契約満了が発表され、その後鹿島への移籍を選択したFWジュニーニョ。J1通算205試合107得点など03年からの在籍9シーズンで公式戦通算211得点を挙げている“レジェンド”に代わって加入したブラジル人トリオが、川崎Fに悲願の初タイトルをもたらす。

 22日に行われた川崎Fの新体制発表会見では、この日成田空港に降り立ったばかりのMFレネ・サントスを含め、FWレナト、DFジェシの新外国人全3選手が出席。挨拶の際にはそれぞれブラジル時代のプレーをダイジェストでまとめた映像とともに紹介されたが、その映像が集まったサポーターたちを興奮させていた。

 まず川崎Fの強化スタッフ陣が獲得を最も熱望し、獲得を目指してきたというDFジェシ。ブラジルのコリチーバFC時代、チームのキャプテンを務めていた184cmのCBは昨シーズン、J2へ降格した3クラブに次いで失点(53失点)の多かった川崎Fの守りを引き締めるべく加えられた存在だ。大スクリーンで流された紹介映像では、ゴールへ吸い込まれそうなボールをスライディングでかき出したシーンでサポーターたちが沸き、打点の高いヘディングシュートをゴールを突き刺したシーンでサポーターたちがまた唸るなど、大きな期待を集めていた。本人も「自分はタイトルを取るために来ました。ハードワークとアグレッシブなところが特長。あとはグラウンドで表現するので見て欲しい」と言い切っており、川崎Fのウィークポイントである守備面を補い、それ以上をもたらすのか注目が集まる。

 また、3日前の19日に加入が発表された184cmの大型MFレネ・サントスはSB、CB、ボランチでもプレー可能な万能型。大型だが一瞬の加速などスピードに自信を持ち、球際の強さも印象的だ。フィジカルの強さ、守備力の高さは特に注目だが、本人が「(チャンスがあれば)前へ向かってゴールを狙いたい」と語ったとおり、そのフィジカルの強さを活かした突破、局面を変えるパスなどの攻撃面でもチームにアドバンテージをもたらすことが期待される。

 そしてサポーターにとってもっとも気になる存在であろう、ジュニーニョの後継者となる背番号10のレナト。167cmと小柄だが、テクニックとフィジカルの強さを活かしたダイナミックなドリブル、左足から放たれる高精度FK、正確なシュートなど、ジュニーニョに代わる新たな攻撃の中心として期待の存在だ。昨年、川崎Fはリーグトップのシュート数を放ちながらも52得点はリーグ7番目。攻撃力を発揮しながらも、守りを固める相手ゴールをこじ開けることができなかった。それだけにレナトは「(具体的な数字は考えていないが)できるだけ多くのゴールを取って貢献したい。多くのゴールを残したい」とゴール量産を宣言。コリンチャンスやパルメイラスといったブラジルの名門も獲得を目指したという中、川崎F入りを選択した新10番は前・エースに負けないインパクトを残して勝利に貢献するだけだ。

 それぞれ初めてとなる日本でのプレー。レナトは「(Jリーグは)インターネットで何試合か見た。他の情報は持っていない」という状況だが、期待に応える意欲は十分だ。新体制発表会見の会場に集まった川崎Fのサポーターの熱気について「本当に素晴らしいサポーターたちですね。本当に今、驚きでいっぱい」(ジェシ)と感動していた3選手。実力派の新“助っ人”たちが「シーズン終了の時にはみんなで一緒に幸せな気持ちで迎えたい」(レナト)という誓いを果たし、クラブの歴史を変える。

[写真]川崎Fに新加入したブラジル人トリオ。左からレネ・サントス、レナト、ジェシ

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2012年Jリーグ移籍情報

TOP