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A代表初選出の19歳宮市は“期待枠”ではなく戦力、ザック「プレーするチャンスある」

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 日本サッカー協会は25日、W杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(29日、豊田ス)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。海外組からは11人を選出。FW宮市亮(ボルトン)がA代表に初招集された(メンバーはコチラ)。

 言葉の端々に期待の大きさをうかがわせた。アルベルト・ザッケローニ監督は、初招集に踏み切った19歳の宮市に対し、“異例”とも言えるコメントを残した。

「宮市は五輪のメンバーに入っていないということで候補に挙がった。ボルトンでの活躍は目を見張るものがあるし、素晴らしいものを持っているので今回の招集に至った」

 今年1月にアーセナルからレンタルでボルトンに加入した宮市は11日のウィガン戦(1-2)に後半開始から途中出場し、プレミアリーグデビューを果たすと、18日のFA杯・ミルウォール戦(2-0)では初先発初ゴールを記録。圧倒的なスピードと正確なボールテクニック、そして決定力と、19歳とは思えないプレーぶりを披露した。

「スピードがあり、詳細なデータは持っていないが、映像を見る限り、持久力も優れている。短距離でも速いスピードで走ることができるし、守備でもチームに献身的な印象を持っている。タイプ的にはサイドで生きる選手なのかなと思っている」

 そう絶賛するザッケローニ監督はさらに踏み込み、ウズベキスタン戦でいきなり起用する可能性も示唆した。昨年6月のキリン杯で招集したMF宇佐美貴史(バイエルン)、前日24日のアイスランド戦に向けた代表合宿で招集したFW久保裕也(京都)やMF柴崎岳(鹿島)らは将来性に期待し、試合出場は抜きにして、代表チームの雰囲気を感じさせ、さらなる成長を促す狙いでの選出だった。実際、試合で起用することはなく、その後もA代表からは遠ざかっている。

 宮市は違う。指揮官は宇佐美や久保、柴崎らの例を挙げたうえで「宮市は昨シーズンのオランダでの活躍もあるし、今シーズンもボルトンに加入してから素晴らしいスピードで順応を見せ、馴染んでいる。代表チームでのこれまでのケースと比べ、一歩前を行っているのかなと思っている。招集した以上、もし可能性があれば、プレーするチャンスはある」と明言した。

 宮市がウズベキスタン戦に出場すれば、19歳77日でのA代表デビューとなり、MF香川真司(ドルトムント)の19歳68日に次ぐ史上8番目の年少デビュー。さらにゴールを奪えば、金田喜稔氏の持つ19歳119日の記録を塗り替え、史上最年少ゴールとなる。“期待枠”ではなく即戦力。19歳のワンダーボーイがいきなりA代表のピッチに立ったとしてもおかしくはない。

(取材・文 西山紘平)

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