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新戦力MFレナトFKから實藤V弾!川崎Fがホームで白星発進!

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[3.10 J1第1節 川崎F1-0新潟 等々力]

 2012年のJ1が開幕。神奈川県川崎市の等々力陸上競技場では昨年11位の川崎フロンターレと同14位のアルビレックス新潟が対戦し、DF實藤友紀の決勝ゴールによって川崎Fが1-0で勝利し、好スタートを切った。

 ホーム・川崎FはGK西部洋平(前湘南)、DFジェシ(前コリチーバ)、DF森下俊(前京都)、FWレナト(前ポンチプレッタ)、FW小松塁(前C大阪)と新加入の5選手が先発。4-4-2システムのGKは西部で4バックは右から實藤、ジェシ、森下、小宮山尊信。中盤は中村憲剛と柴崎晃誠のダブルボランチで右MFが田坂祐介、左MFが山瀬功治。2トップはレナトと小松がコンビを組んだ。

 一方、リーグ戦の対川崎F戦3連勝中の新潟も4-4-2システム。GKが黒河貴矢で、右から三門雄大、鈴木大輔、大井健太郎(前湘南)、金珍洙(前慶煕大)の4バック。菊地直哉と本間勲を中盤の底に配置し、右MFが小谷野顕治(前鹿島)、左MFがアラン・ミネイロ(前パウリスタFC)。前線はフライブルクから復帰し10年8月の川崎F戦以来のJのピッチに立つ元日本代表FW矢野貴章とブルーノ・ロペスの2トップとなった。

 開始直後にPAでパスを受けた矢野がいきなり決定的な右足シュートを放って始まった一戦は序盤、ともにややミスの目立つ展開。特に川崎Fは自陣でパスを引っ掛けられる場面が何度かあった。ただ期待の新戦力たちがホームチームに先制点をもたらす。前半10分、右サイドでボールを持った小松がDF2人に前を塞がれながらもPAへ向けて強引に仕掛け、FKを獲得。このFKをレナトが左足で入れると、ニアサイドへ飛び込んだ實藤が頭でゴール左隅へ流し込んだ。

 先制した川崎Fはその後も主導権を握って攻める。懐の深いドリブルで再三相手の守備網に穴を開ける小松と抜群のキープ力でファウルを誘うレナトが存在感を発揮。これに絶妙なダイレクトパスでスペースを突く中村を交えたカウンターは威力があり、DFと同数に近い形で山瀬や小松がPAへ飛び込んでいった。32分には右サイドからレナト、中村とつなぎ、最後は山瀬の右足シュートがゴール左ポストをかすめる。また36分にはレナトの左足FKがゴールを捉えるなどホームで充実した攻撃を見せる。

 一方、新潟は引き気味のポジションからボールを捌く菊地を起点に攻撃を展開。ディフェンスラインからロングボールをサイドや相手4バックの背後へ落としてチャンスをうかがった。またブルーノ・ロペスの馬力のある突破が決定機を生む場面もあったが、リーダーシップをとって守る森下とスピードこそないものの確実に相手を潰していたジェシの両CBと中村、柴崎のダブルボランチら川崎F守備陣をなかなか崩すことができない。12分にミネイロの右FKから鈴木が決定的なヘディングシュートを放ち、37分には菊地の右アーリークロスに矢野が頭で合わせたものの、ゴールを奪うことができなかった。

 0-1で迎えた後半、黒崎久志監督から「攻撃はサイドを上手く使うこと」と指示を受けた新潟はSBが高い位置でボールに関わるなど同点ゴールを目指し、13分にはミネイロから出されたグラウンダーの左クロスにブルーノ・ロペスが飛び込む。だが、得点機をつくり続けたのは川崎Fの方。5分、カウンターから中央突破したレナトが左サイドへはたくと、小松が逆サイドネットを狙った右足コントロールショット。15分には柴崎の左足ミドルがゴールを捉え、16分には右サイドから田坂が出したスルーパスに、DFを上手くブロックしながら走り込んだ小松が反応してクロスバー直撃の右足シュートを放った。

 新潟は17分に小谷野と本間に代えて、G大阪から加入したFW平井将生とDF村上佑介を同時投入。ブルーノ・ロペスとミネイロを中央に右が矢野、左には平井を置く攻撃オプションで一気に圧力をかけた。一方の川崎Fは32分に山瀬をMF稲本潤一にスイッチして守備を固めると35分には小松をFW小林悠へチェンジ。新潟は39分にミネイロに代えて最後のカードとしてMF田中亜土夢をピッチへ送り出す。

 セットプレーやロングボールでプレッシャーをかけた新潟は45分に矢野が獲得したゴール正面でのFKを田中が狙うが右足シュートは壁を直撃。ロスタイムにレナトをFW黒津勝へ代えた川崎Fから新潟は47分にゴール前の混戦から矢野がビッグチャンスを迎えたが、シュートは川崎F守備陣にかき出されて得点ならず。必死のディフェンスで4分間のロスタイムを守りきった川崎Fが開幕戦で勝ち点3を奪取した。

(取材・文 吉田太郎)

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