[3.14 五輪アジア最終予選 日本2-0バーレーン 国立]

　前半を終えて0-0。焦れる展開の中でもDF鈴木大輔は、落ち着いていた。

「後ろの選手たちがブレずにやっていれば、チャンスがくると思っていました。とにかくゼロ(失点)を意識してやっていたので。相手も思っていた以上に引いてきたから、ボールの失い方だけ気を付けていました。良い攻撃ができたら、良い守備ができるというイメージは全員で共有できています。自分たちでボールをキープして攻撃できれば、失点は相当防げると思っていた」

　予感は的中する。相手の運動量が落ちた後半、日本は左サイドからの攻撃で2点のリードを奪った。その後もバーレーンの攻撃を凌ぎ切り、試合前の目標通りに相手を完封してロンドン行きの切符をつかんだ。

　最終予選は全6試合でDF濱田水輝とコンビを組み、6試合で3失点という結果を残した。この経験は、若いコンビにとって、大きな自信になったという。

「僕もアジアで戦ったことはなかったので、アジアの難しさを痛感しました。(濱田と)同じCBとして組んで、互いのクセも完璧に分かりました。最終戦で安定していたかどうかは分かりませんが、最初よりはよくなったと思うので、(ロンドン行きは)これから(次第)かなと思います」

　ロンドンで勝つためには、具体的に何が必要なのだろうか。チームを後方から見ている長身CBは、「守備」を課題に挙げた。

「守備のところですね。うまくいかないときに、どう守備をするか。今までだったら、うまくいかないときは(自分たちが)引いて、(相手に)押し込まれることがありました。でも、自分たちがボールを保持するなら、高い位置からプレスに行くことが大事だと思う。それを流れの中で、どういう風に変えていけるか。サッカーの流れを読んで、もう少しみんながゲームコントロールできるようにしたい。状況に応じたプレーができれば、やるサッカーもはっきりすると思う」

　冷静にチームを見据えるその目は、すでにロンドンでの戦いをイメージしている。今のままでは「世界の強いチームには、やられると思う」という危機感が、鈴木の守備力をさらに高めていく。

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