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自ら希望した遠征メンバー入り、古巣・鹿島戦で見せた野沢の気迫

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[3.20 ナビスコ杯第1節 鹿島2-0神戸 カシマ]

 気持ちがプレーに表れていた。今季、鹿島からヴィッセル神戸に完全移籍で加入したMF野沢拓也がカシマスタジアムに“敵”として戻ってきた。ボールを持つたびに、ゴール裏の鹿島サポーターから激しいブーイングが飛ぶ。それでもセットプレーや正確なパスでチャンスをつくり、球際でも激しく競り合うなど“らしくない”プレーで昨季までのチームメイトと真正面からぶつかった。

 17日のJ1札幌戦(2-1)から先発7人を入れ替えた神戸。昨季途中まで鹿島でプレーしていたDF伊野波雅彦のほか、GK徳重健太、DF近藤岳登、MF田中英雄、FW大久保嘉人という札幌戦に先発していた5選手がベンチ外となるなど大幅にメンバーを変更してこの日の試合に臨んだ。

 野沢によると、和田昌裕監督の配慮で、遠征メンバーに入らず、神戸に残る選択肢もあったという。それでも「自分が望んで来た」と、ジュニアユースから17年間過ごした古巣との対戦を自ら希望した。鹿島サポーターからのブーイングには「聞こえなかった」と苦笑いし、結果も0-2の敗戦。それでも「負けて学ぶこともある。このチームは成長していける」と前を向いた。

「来てよかった」。敵として戦った鹿島。その強さをあらためて感じ、同時に神戸のさらなる成長も確信できた。90分間通して見せた鬼気迫る全力プレーは、新たな挑戦に踏み切った野沢の決意の重さを感じさせるものでもあった。

(取材・文 西山紘平)

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