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ハットトリックの町田・鈴木崇「横浜FC戦は意識しました」

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[4.30 J2第11節 横浜FC2-4町田 ニッパ球]

 チャンスを逃さなかった。「(平本)一樹さんのおかげです」と感謝するMF鈴木崇文は、FW平本一樹のパスから3得点を挙げた。「プロに入ってからハットトリックは初めて。大学4年のときが人生初だったので、人生で2度目です」と笑顔を見せた。

 前半10分、右サイドを深くまでボールを運んだ平本からの折り返しをゴール前で合わせて、先制点を記録した。Jリーグ初ゴールを「やっと決めることができて、正直、ホッとしました。これまでチームに貢献できていなかったので」と振り返る。しかし、これだけでは終わらなかった。前半終了間際には、お礼にとばかりに平本の得点をアシスト。そして後半10分には、再び平本の折り返しをゴール前で詰めてチームの3点目を入れる。さらに同27分もゴール前で平本からのスルーパスを受けて、ハットトリックを達成した。平本との絶妙な連係について「一樹さんは僕を見てくれているし、僕も一樹さんを見ている」と胸を張った。

 平本への感謝を繰り返し、「僕は合わせるだけだったので」と謙遜したが、カウンターの際には、必ずゴール前に走り込んでいた。リードしている状態であれば、攻撃を2トップに任せて、中盤でのボール奪取に専念するのも手だ。しかし、鈴木崇は自身のプレーを変えなかった。「点差がどれだけ付いていても、1点返されると危ないと思います。だから守備に入らずに攻め続けたいという思いはありました」と言う。後半22分に1点を返されてから、わずか5分後に自身の3得点目で横浜FCを再び突き放した。反撃ムードの横浜FCに水を差すという点でも、大きな意味があるゴールだった。

 この試合に向けて、特別な思い入れもあった。大学2年、3年、4年時にテスト生として横浜FCの練習に参加し、プロ入りを目指したが実現できなかった。「試合前は意識しましたね。絶対に勝ちたいと思いましたし、点も取りたかった」と話す。試合後に当時からの彼を知る横浜FC関係者に「やりすぎだよ」と苦笑されると、満面の笑顔を返してみせた。

 とはいえ、この勝利を次につなげることが大切だ。「次のホーム戦に負けたら意味がない。勝つことが大事なので、勝つために準備したい」と、3日後に控えるホーム・北九州戦に向けて、気を引き締めた。
(取材・文 河合拓)

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