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最終予選へ自信のザック「しっかり準備した学生が試験に臨む心境」

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 いよいよW杯アジア最終予選が幕を開ける。前日23日のアゼルバイジャン戦(2-0)を終えた日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は24日に帰京すると、さっそく記者会見を行い、6月3日のオマーン戦(埼玉)、同8日のヨルダン戦(埼玉)、同12日のオーストラリア戦(ブリスベン)と続く最終予選3連戦に向けた日本代表メンバー25人を発表した。

 決意の表れだった。代表合宿は明日25日から埼玉県内でスタート。オーストラリア戦を終えて帰国する6月13日まで20日間に及ぶ長期合宿に組み込まれた15回の練習すべてが非公開となった。「できる限り、対戦相手に情報を与えたくない。相手もできるだけ我々の情報を集めようとしてくるだろうが、相手を有利にするようなことは一つもしたくない」。そう力説する指揮官は「チームが準備に集中する環境をつくりたいというのも目的。できるだけ集中力を高めるために、この策を取った」と、“鉄のカーテン”の理由を説明した。

 この日、報道陣に配られたメンバーリストは選手が3グループに分けられていた。海外組12人は25日に集合し、トレーニングを開始。国内組のうち、ACLに勝ち残っているチームに所属する3選手を除く10人は26日のJリーグを戦ったあと、27日に合流する。そしてDF酒井宏樹(柏)、GK権田修一(F東京)、MF高橋秀人(F東京)の3人は30日のACL決勝トーナメント1回戦後に合流。31日に全25選手がそろうスケジュールとなっている。

 最終予選の行方を大きく左右することになる序盤の3連戦。ザッケローニ監督は「この3試合は当然、大切な試合だが、この3試合だけではない。最終予選8試合トータルで見て考えていければ」と話し、3試合で目標とする勝ち点を聞かれても「私の経験から、サッカーでは計算をしないことが大切」とかわす。「この3試合は大切だが、決定的な試合ではない。私の経験の中でも、リーグで優勝したときはシーズンの終盤でたくさんの勝ち点を稼いだ。この仕事をしてきた30年の経験から学んだことは、一つひとつ目の前にある試合をこなしていくことが大切ということ」と、約1年間に及ぶ長期戦に臨む心構えを強調した。

 自信はある。報道陣から「W杯予選では成績が悪ければ予選の途中で解任されることもある」と追及されると、「気持ちとしては、勉強をたくさんして、しっかり準備できた学生が試験に臨む心境」と淡々と語った。「すべてのチームの監督がそうであるように、ポジティブな方向にいくことを願っているし、そうなるとも思っている。私はこのチームを信頼している」。10年10月の初陣から約1年8か月。ザックジャパンがいよいよW杯アジア最終予選に臨む。

(取材・文 西山紘平)

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