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大阪ダービーで遠藤越えを目指すMF扇原「脅かす存在になる」

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 偉大なる先輩を越えて行けるか。今週末に行われる天皇杯のガンバ大阪戦は、セレッソ大阪のMF扇原貴宏にとって、大きな意味を持つ一戦となる。来季、G大阪はクラブ史上初のJ2降格が決まっており、リーグ戦で大阪ダービーが実現することはない。今オフ、MF遠藤保仁がG大阪に残留すれば、扇原が日本代表史上最多のキャップ数を誇るボランチと再戦できる機会は、早くても来年の天皇杯となる。

 日本サッカー界にとって遠藤の存在は、強みであり、同時に弱点でもある。遠藤自身の存在が大き過ぎるがゆえに、彼の後進となるべき選手が出てきていない。その中で、今夏に行われたロンドン五輪に中心選手として出場した扇原は、鹿島アントラーズのMF柴崎岳とともに『ポスト遠藤』の期待がかけられている。

 U-23日本代表の4強進出に貢献した扇原は「世界の舞台でやっていきたいという気持ちがより一層高まった大会でした」と、ロンドン五輪を振り返る。そして、今度はW杯の舞台に立ちたいという気持ちを口にした。「選手である以上、A代表は目標の場所です。今後、世界で戦えるのは、A代表としてW杯に出るしかないので、自分はそこを目標に頑張っています」。

 そのためにも、遠藤は越えて行かなければいけない存在だと自覚する。「自分が一番得意としているポジションはボランチですし、やっぱりどんどん下の世代の選手が遠藤選手、長谷部選手を脅かす存在になるように頑張らないと、日本サッカーも強くならないと思う。いつまでも、遠藤選手や長谷部選手に頼っているだけではダメだと思うので、自分も含めて下からどんどんどんどん突き上げて、脅かせるくらいの存在になっていけたらと思います」。

 U-23日本代表、C大阪でともにプレーしていたMF清武弘嗣が所属するブンデスリーガのニュルンベルクが、獲得に動くと報じられるなど、扇原は欧州からも注目を集めている。しかし、C大阪アカデミー育ちの扇原は「クラブでタイトルを獲ってから、欧州に行きたい」と、常々口にしてきた。今冬の欧州移籍も噂される今、天皇杯制覇は大きな目標になっている。

「みんなモチベーションは高いですし、天皇杯のタイトルを取りたいという思いがあります。大阪ダービーに勝てれば、なおさらチームは勢いに乗れて、優勝にも近づくと思う。チーム一丸となって、G大阪に勝ってタイトルを目指します」

 もう一度、世界への扉を開くためにも、扇原は2012シーズン最後の大阪ダービーで、自らの実力を証明する。

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