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「同じ思いはしたくない」、柏の主将DF古賀太陽は“国立・決勝”での雪辱誓う

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今季から柏のキャプテンを務めるDF古賀太陽

[10.8 天皇杯準決勝 熊本 0-4 柏 三協F柏]

「前線からの守備が生命線になっていると思う」と柏レイソル井原正巳監督が挙げる武器が、チームに先制点をもたらした。

 前半9分、自陣からのDF古賀太陽のフィードは熊本にわたってしまうが、FW山田康太とFW細谷真大が敵陣でプレッシャーをかけてボールをひっかけると、ルーズボールをMF戸嶋祥郎がひろって左サイドの細谷へ。ペナルティエリアに入った細谷は縦に仕掛けてクロス、戸嶋がヘディングで合わせた。

 さらに、後半9分にFW細谷真大が挙げた3点目も、敵陣で熊本にプレッシャーをかけて奪った流れで生まれた得点だった。「立ち上がり10分、15分は前を意識したプレーはできていたと思う」。古賀はチームとしての戦い方をそう評する。

 リーグでは一時最下位に沈むなど低迷していた柏だが、7月の中断期間中に立て直しをはかり、8月以降の公式戦は7勝3分1敗で、その間の失点は7と守備の安定が好成績の要因のひとつになっている。CBとしてプレーする古賀は、「前に出て回収していくっていうところを徹底的にやれていたからこそ、勝ち点がとれていた」と戦い方に自信を示す。

 見事決勝に進出を果たした柏にとって、苦い記憶として呼び起こされるのは3シーズン前のルヴァン杯ファイナルだ。新型コロナウイルスの集団感染によって延期を余儀なくされ、年をまたいだ2021年1月4日にFC東京と激突した一戦。7年ぶりの主要タイトルを狙う柏だったが、1-2で敗れて頂きまであと一歩届かなかった。当時を知る選手が限られてきている中、左SBとしてスタメン出場していた古賀は、かける思いもひとしおだ。

「ルヴァンのファイナルで負けた記憶は、個人的には鮮明に残っているので同じ思いはしたくないです。あのとき以上に、勝って終わるっていう気持ちを強く持ち続けられるようにこれからの時間を過ごしていきたい」

 当時は22歳でメンバー入りした選手の中で最年少だったが、現在はキャプテンを担う存在だ。今月25歳を迎えるDFは、天皇杯のタイトルを柏に持ち帰ることを誓っていた。

(取材・文 奥山典幸)
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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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