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[天皇杯]ケネディ3発!名古屋がJ1の意地見せる

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[12.13 天皇杯準々決勝 名古屋3-0岐阜 瑞穂陸]

 第89回天皇杯全日本サッカー選手権大会は13日、名古屋市の瑞穂陸上競技場で準々決勝第2日の1試合を行い、名古屋グランパスFC岐阜に3-0で勝利。優勝した第79回大会以来となる準決勝進出を果たした。名古屋は29日の準決勝(エコパ)で清水と対戦する。

 前日12日にJ2の仙台が川崎Fを下し、準決勝進出。この勢いに続けと、J2・12位の岐阜が、J1・9位の名古屋に立ち向かった。岐阜は立ち上がりから相手に臆することなく、攻撃を仕掛けた。それに対し、名古屋も前線のFWケネディブルザノビッチをターゲットに、左の玉田圭司、右の杉本恵太の両アタッカーを生かした攻撃を展開。先にペースを掴む。

 名古屋は中盤のポゼッションで相手を上回ると、アタッカー陣がバイタルエリアを果敢に突いて、岐阜を押し込んでいく。しかし、岐阜は「リトリートするのではなくて、ラインを決めて、バランスを崩さないようにした」とDF田中秀人が語ったように、4バックがズルズルと下がらずに、きちっと一定の位置でラインを敷き、間のギャップを橋本卓菅和範のダブルボランチが埋める形で対応。名古屋はアタッキングエリアまではボールを運ぶものの、そこから先で苦戦し、思うようにフィニッシュまで持ち込めない展開が続いた。

 その中で最初にビッグチャンスを迎えたのは岐阜だった。29分、菅がFW西川優大とのワンツーで抜け出し、GKと1対1に。しかし、放ったシュートは楢崎正剛のビッグセーブに合った。ただ、これで勢いに乗った岐阜は、続けざまにチャンスを作り出す。流れはJ1撃破へ意気込む岐阜に移っていた。
 だが、名古屋のオーストラリア代表FWが黙っていなかった。44分、左サイドのDF阿部翔平のクロスを、中央のケネディがドンピシャヘッドでゴールへ突き刺し、名古屋が先制に成功する。

 後半、岐阜も反撃を見せるが、先制点が重くのしかかり、なかなか同点に追いつくことができない。そして22分に杉本のクロスを再びケネディに合わされて追加点を献上すると、36分にはケネディにこの日3点目となるゴールを決められ、万事休す。名古屋がJ1勢の意地を見せて岐阜の快進撃を止め、ベスト4進出を果たした。

 名古屋のストイコビッチ監督は「私は(監督になって、トーナメントの)ベスト4までしか経験していないので、決勝にいきたい。(準決勝では)清水を叩いて、我々のスタイルを出し切りたい。次の試合まで時間があるので、十分にトレーニングをして、もちろん十分に休んで。マギヌンは出場停止で出れないが、他はすべての選手が戻ってくるので、戦術(のトレーニング)などをしっかりとやっていきたい」。3得点のケネディは「ハットトリックは長い間やっていない。(胸の辺に手をやり)このくらいの背のときかな(笑)。アマチュア時代以来だと思う。ニュルンベルク時代にドイツカップを取っているが、そのときは僕は怪我で試合に出ていないので、絶対に優勝したい」と誓っていた。

(取材・文 安藤隆人)

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