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昨年Jに健闘のレノファ山口「今年は90分通して何か残す」

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[9.3 第90回天皇杯1回戦 レノファ山口 2-0 米子北高 平塚]

 レノファ山口(山口)がJ1湘南ベルマーレへの挑戦権をつかんだ。立ち上がりこそ11年川崎F加入内定という米子北高FW谷尾昂也へのディフェンスが甘くなり、危険な場面を作られた。前・ガンバ大阪のDF伊藤博幹も「集中できてなくて。危なかったですね」と振り返る。だが8分、SB安田忠臣の左スローインで抜け出したFW中川心平(前・三菱水島FC)が難なく左足で先制ゴール。ズルズルいっていたかもしれない嫌な流れを断ち切ると、ディフェンス陣も球際での厳しい当たりで相手エースの自由を徐々に奪っていった。

 2列目からの飛び出しや連動性で高校生チームを苦しめ、米子北がペースアップした後半にも柏原渉のゴールによって先手を奪った。終盤にも相手の運動量に屈することなく、社会人の面目を保っての勝利。ただ相手の堅い守備ブロックをこじ開ける場面は少なく月岡利明監督は「足元で崩すことはできたけれど、あの守備ブロックを崩すためには長い距離を走りきることが必要」と選手たちに“注文”をつけていた。

 課題は残ったがそれでも、照準を合わせていた2回戦進出の権利を獲得。指揮官は中1日で迎える5日の2回戦・湘南戦へ向けて「100回やって100回(近く)負けると思うけれど、1パーセントの確率にかけて。先に点を取って(試合会場の)平塚のサポーターを驚かせたい」と力をこめた。川崎Fと対戦した昨年の2回戦は前半こそ1-1だったが後半に5失点し1-6で敗退。再びJと対峙する“元Jリーガー”伊藤は「昨年は試合をすることだけで満足してしまったけれど、今年はやることをやって帰ろうという気持ちでいる。90分間通して何か残せたらいい」と「健闘では終わらない」という覚悟を口にしていた。

(取材・文 吉田太郎)

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