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[予選]明治大が阪野2発&岩渕ゴールで慶應義塾大に逆転勝利!!町田ゼルビア戦へ

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[8.7 第16回東京都サッカートーナメント学生系の部・決勝(Bブロック) 明治大3-1慶應義塾大 日体大G]

 第16回東京都サッカートーナメント学生系の部・決勝が7日に神奈川県・日本体育大健志台キャンパスサッカー場で行われた。第1試合のBブロック決勝では、明治大が慶應義塾大に3-1の逆転勝利を収め、町田ゼルビアとの本大会・準決勝へ駒を進めた。第2試合のAブロック決勝は早稲田大と専修大の一戦だったが、雷雨の影響で中止となった。代替日は近日中に発表される。

 ともにユニバーシアード競技大会の影響で慶應義塾大はFW河井陽介(4年=藤枝東高)、明治大はDF丸山祐市(4年=國学院久我山高)、MF宮阪政樹(4年=F東京U-18)、GK高木駿(4年=東京Vユース)が不在となり、主力を欠いての一戦となった。高木は突然のセカンドキーパーの負傷でGKの人数が足りなくなったため、急遽ベンチ入りを果たしたが出場はしなかった。

 慶應義塾大はDF笠松亮太(4年=東京Vユース)が足首の負傷で欠場。DF松岡淳(3年=慶應義塾湘南藤沢高)とルーキーDF保田隆介(1年=横浜FMユース)がCBを組んだ。また、サイドバックを務めることの多い田中奏一(4年=F東京U-18)がキャプテンマークを巻き、右SHの位置でプレーした。対する明治大はDF松岡祐介(3年=広島皆実高)が明関定期戦で右足首の大怪我を負い、全治3ヵ月の重傷。完全復帰を視野に入れると後期リーグにもほぼ間に合わないという状況のために不在だった。

 試合は雷雨の影響で30分間遅れての開始となった。突然のハプニングだったが、選手たちはモチベーションを落とすことなく試合に入り、開始直後から激しい攻防が繰り広げられた。早々と先制点を奪ったのは慶應義塾大だった。前半2分、右CKからのボールをゴール正面でDF黄大城(4年=桐生第一高)が頭で落とすと、最後はMF藤田息吹(3年=藤枝東高)が強烈なシュートを叩き込んだ。このゴールで先制に成功した。

 しかし直後の前半5分、中盤でボールを奪った明治大が素早くカウンター。MF三田啓貴(3年=F東京U-18)のスルーパスに相手CBの裏へ抜け出したFW阪野豊史(3年=浦和ユース)が冷静にシュートを決めて、同点に追いついた。慶應義塾大の田中が「1点取られたあと、早い時間帯で失点したことが痛かった」と振り返ったように、このゴールで勢いづいた明治大が果敢にチャンスをつくる。

 そして前半15分、中盤で相手のミスを突いてボールをかっさらうとFW岩渕良太(2年=F東京U-18)が華麗にドリブル突破。相手DFをかわすとPA内右からGKを前にしながらも冷静にシュート。2-1と逆転に成功した。

 慶應義塾大は右サイドの田中を起点に攻め込むが決定的な場面をつくることはできない。立て続けにオフサイドを取られるなど、シュートまで持ち込めず。前半26分には田中がDF奥田大二郎(4年=東京Vユース)との1対1を振り切り、右クロス。藤田が放ったシュートはDFがクリア。こぼれにMF日高慶太(4年=桐蔭学園高)がつめたがDFにクリアされた。同29分には右サイドから突破を仕掛けた田中のパスから抜け出したMF香川佑介(3年=横浜FCユース)が中央へ折り返す。ゴール正面から日高が放ったシュートはゴールマウスを叩いた。

その後は中盤の左サイドで連続してボールを失い、なかなかリズムがつくれない。同37分には早くも交代のカードを切り、MF山浦新(1年=東京Vユース)に代えて、MF森田達見(4年=川崎F U-18)を投入した。しかし直後の同42分、MF増田湧介(1年=清水東高)が相手陣内でファール。これが2枚目の警告となり、慶應義塾大は10人での戦いを強いられた。そのまま前半は終了する。

 後半に入っても1点リードの明治大が試合の主導権を握り続けた。前半は守備に回る機会の多かった奥田が左サイドから立て続けにチャンスを演出。後半20分には左サイドで粘った阪野からのパスを受けてミドルシュート。わずかにクロスバー上方へ外れた。同27分には再びPA外左からシュートを放つ。ミートせずに放ったシュートだったがコースが良く枠内へ。これはGK中川翔太(4年=國学院久我山高)の左手に阻まれた。その後もサイドを使ってチャンスを演出。さらに次々と交代枠を使い、フレッシュな選手を投入。リズムを崩すことなく攻め続けた。守備ではGK大滝剛(1年=武相高)が奮闘。初先発ということを感じさせない落ち着いたセービングをみせた。

 そして終了間際の44分には、またも阪野がゴール。三田のパスに全力疾走で前線へ抜け出した阪野がシュートを決めた。そのまま試合は終了し、明治大が3-1の勝利。13日に行われる町田ゼルビアとの準決勝進出を決めた。

 試合後、明治大の神川明彦監督は「不用意な失点をしたあと、すぐに追いついて戦いにいけた。戦う姿勢を出せたというところが非常に評価できる」とコメント。日本体育大戦から中1日での連戦となったが、最後まで走り抜いた末に勝利を勝ち取った選手たちを称えた。次の準決勝ではJFL・FC町田ゼルビアとの一戦となるが「厳しい試合になると思う。しっかりと準備をして、1対1の守備や組織的にやっていくことが大事になる。FW勝又慶典やFWドラガン・ディミッチにフリーでランニングさせないようにしないといけない」と意気込んだ。

 一方、敗れた慶應義塾大の田中副将は「自分たちはサイドから攻めていくというプレーで戦っていきたかったが中盤、ボランチでボールを失うことが多かった。あそこを回避できれば良かった。とにかく残念」と敗戦に肩を落とした。

(取材・文 片岡涼)

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