[6.19 EUROグループリーグD組第3節 スウェーデン2-0フランス キエフ]

　EURO2012(欧州選手権)は19日、グループリーグD組の最終節を行った。前節終了時点で首位に立っていたフランスはスウェーデンに0-2で敗れ、今大会初黒星を喫したが、2位通過が決定。23日の準々決勝ではC組1位のスペインと対戦することになった。2連敗でグループリーグ敗退の決まっていたスウェーデンは後半9分にFWイブラヒモビッチがアクロバティックなジャンピングボレーで先制点。後半ロスタイムにもMFラーションが追加点を決めた。2-0の快勝で意地を見せ、フランスに国際Aマッチ24試合ぶりとなる黒星を付けた。

　2連敗ですでにグループリーグ敗退の決まっているスウェーデンは15日のイングランド戦(2-3)から先発2人を入れ替え、FWバイラミが今大会初先発。FWトイボネンがウクライナとの第1戦(1-2)以来の先発となった。一方、引き分け以上で準々決勝進出が決まるフランスも先発2人を変更した。15日のウクライナ戦(2-0)でゴールを決めたMFメネス、MFキャバイエがともにベンチスタートとなり、MFエムビラ、MFベン・アルファが今大会初先発。システムは4-2-3-1を継続し、2列目は右からベン・アルファ、MFナスリ、MFリベリと並んだ。

　すでに準々決勝進出の可能性はなくなっているスウェーデンだが、最後の意地を見せるべく立ち上がりから高い集中力を見せた。前半3分にはDFマルティン・オルソンの左クロスにトイボネンが頭で合わせ、ファーストシュート。同4分にも左サイドからMFシェルストレームがセンタリングを上げ、MFラーションがヘディングで狙ったが、シュートはGKの正面を突いた。

　開始早々ピンチを招いたフランスも前半8分、右サイドからのアーリークロスのこぼれ球をFWベンゼマが拾い、リベリがシュートを放つが、至近距離でGKイサクションがセーブ。スウェーデンは同10分に決定機を迎え、シェルストレームのロングボールからDFメクセスと競り合ったトイボネンが抜け出し、GKもかわすが、右サイド角度のない位置からのシュートは右ポストに弾かれた。

　ヒヤリとさせられたフランス。ボールポゼッションでは上回るもののスウェーデンの堅い守備を攻めあぐねる。前半35分にベン・アルファ、同45分にはリベリがミドルシュートを放つが、攻撃は単発。チャンスらしいチャンスをつくれず、前半は0-0で折り返した。

　後半開始からバイラミに代えてMFウィルヘルムションを投入したスウェーデンは後半9分、エースのスーパーゴールで先制に成功する。ラーションの右クロスに走り込んだイブラヒモビッチがジャンピングボレー。右足で捉えたシュートはゴール左隅に突き刺さり、イブラヒモビッチの今大会2点目でスウェーデンがリードを奪った。

　同時刻に行われていた2位イングランド対3位ウクライナの試合はイングランドが1-0でリードしていたため、たとえ負けても2位通過が決まるフランスだったが、その後も立て続けにピンチを招く。後半13分、イブラヒモビッチの左クロスにウィルヘルムションが左足で合わせたシュートはGKロリスが好セーブ。その直後のCKでも、DFメルベリのシュートをGKロリスが鋭い反応で弾いた。

　フランスは後半14分、ベン・アルファに代えてMFマルダを投入し、何とか流れを変えようとする。同21分にはロングボールをベンゼマが落とし、リベリが狙うが、DFが体を投げ出してブロック。スウェーデンの堅守をこじ開けられなかった。後半23分にはメクセスがイエローカードを受け、今大会累積2枚目。準々決勝が出場停止となることが決まった。

　後半32分にメネス、同38分にはFWジルを投入し、交代カードを使い切ったフランス。後半38分、マルダの左CKに、入ったばかりのジルがフリーで合わせるが、ヘディングシュートはゴール左へ外れる。逆に後半ロスタイム、スウェーデンはラーションが試合を決定づける追加点を決め、2-0と突き放した。

　国際Aマッチ23戦負けなしと無敗記録を更新してきたフランスだが、すでに敗退の決まっていたスウェーデンにまさかの0-2敗戦。10年9月3日のベラルーシ戦(0-1)以来、約1年10か月ぶりの黒星を喫し、決勝トーナメントに向け不安を残す結果となった。

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