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[第18回フットサル全日本選手権]PKストッパー冨田の3セーブで、PK戦の末に湘南が府中を破る

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[3.15 フットサル全日本選手権 準々決勝 湘南3-3(PK5-4)府中 代々木]

 フットサル全日本選手権は15日に準決勝を行い、第2試合では湘南ベルマーレ(Fリーグ)府中アスレティックFC(Fリーグ)が対戦し、3‐3で前後半の40分を終えた。5分ハーフの延長戦でも両チームは譲らずに、試合はPK戦へ。PK戦も両チーム譲らずに、サドンデスに入る。迎えた7人目、湘南はFP曽根田盛将が決めたのに対し、府中のFP宮田義人のシュートはGK冨田祐耶がブロック。PK戦を5-4で制した湘南が、準決勝に駒を進めている。

 湘南のスタメンはGK遠藤 晃夫、FP藤井健太、中村猛、刈込真人、内村俊太の5選手。対する府中はGK村山竜三、FP完山徹一、山田ラファエル・ユウゴ、小山剛史、ロドリゴというメンバーで、4強進出を賭けた試合に臨んでいる。
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 最初に決定機をつくったのは、府中だった。左サイドを立てに仕掛けたFP山田ラファエル・ユウゴがゴール前に入れたボールをFP小山剛史がゴール前に入れるが、ボールは右へ外れている。湘南も4分にはFP中村猛がゴール正面からシュートを放ったが、ボールは左ポストに嫌われた。それでも5分には左サイドでボールを保持したFP小野大輔が、中央のFP安藤良平にパスを出すと、受けた安藤が左足でシュート。これがDFに当たってコースが変わってゴールに入り、湘南が先制した。

 反撃に出た府中は左サイドをFPダンタスが突破。右ポスト前で待つFP柴田祐輔にフリーでボールが入ったが、絶好の機会で放ったシュートは、ゴール左に逸れて行った。前半12分にはFP完山徹一が強烈なミドルシュートを決めたが、ゴール前でファウルがあったとして得点は認められなかった。この判定に抗議したFP上福元俊哉にイエローカードが提示されている。

 前半15分には湘南が5つ目の直接FKに該当するファウルを犯し、前半中の次のファウルからは府中に第2PKが与えられることになった。これによって、湘南は激しく体を寄せて守ることが難しくなり、府中が押し込む時間が続く。この難しい状況を打破したのは、元日本代表の小野だった。中央を単独でドリブル突破し、PA外から強烈な左足シュートをGK村山のニアサイドに突き刺し、リードを2点に広げた。府中もダンタス、ロドリゴ、完山が遠い位置からも積極的にシュートを打ち、最後まで湘南ゴールに迫ったがGK遠藤晃夫の好セーブもあり、2点を追う形で前半の20分を終えている。

 後半に入っても攻める府中は、5分にロドリゴが得意のミドルシュートを叩き込み、1点を返す。さらに圧力を掛け続ける府中は、左サイドの上福元からのパスをゴール中央で受けたダンタスが反転してDFをかわし、飛び出してきたGK遠藤の横を抜く右足のシュートを決めて、同点に追いついた。

 追い付かれた湘南は後半11分、小野がドリブルからシュートに持ち込むが、DFにブロックされる。対する府中も12分に後方からスピードのあるロングボールを入れると、ゴール前でロドリゴが合わせる。しかし、これは惜しくも右に外れており、両チームともにチャンスをつくりながらも生かせない。

 均衡を破ったのは湘南だった。FPボラのキックインを、PA内でFP藤井健太が受ける。トラップがやや流れたが、その先にいたFP内村俊太の右足シュートが決まり、湘南が3-2と再びリードした。同15分にも湘南はFP岡田サントス・ジオゴが単独のドリブルでボールを前に運びシュートしたが、シュートは左に逸れている。

 府中も15分に波状攻撃を見せるが、湘南の選手たちも懸命にシュートをブロックして、ゴールを守る。同16分には左サイドの深い位置でボールを受けた山田が、ほとんど角度のない所からシュートしたが、これは左ポストに嫌われた。それでも攻める府中の執念が実る。16分に左サイドでDFをかわしたFP小山剛史の折り返しがDFに当たると、PA内に走り込んだロドリゴの前に転がる。ロドリゴのシュートは当たり損ねとなったが、ボールは飛び出してきたGK遠藤が不在となっていたゴールに転がり込み、府中が試合を振り出しに戻している。

 後半18分には湘南が決定機をつくる。ボラが小野とのワンツーからシュートに持ち込んだが、GK村山に防がれる。その直後には、府中のロドリゴが速攻からボールを浮かせてボラをかわそうとした。ここでボラは手で浮き球を弾き、速攻をストップ。ロドリゴは退場を主張したが、ボラにはイエローカードが出されるにとどまった。両チームともに4点目を挙げることはできずに、試合は延長戦にもつれ込んだ。

 5分ハーフの延長戦でも、互いに好機をつくり合う展開は続く。延長後半1分には府中のダンタスの強烈なミドルシュートを、湘南GK遠藤が後ろに弾いてしまう。それでもボールはクロスバーの上を叩き、枠を外れ、湘南が危ない場面を乗り切った。さらに3分には左サイドでボールをキープしたダンタスがDF2枚を引き付けて、ボールを落とす。これを完山が得意の左足でシュートしたが、ボールは右に外れる。その直後にも府中はFP宮田義人がシュートを打ったが、枠を捉えることができない。

 府中の猛攻に耐えた湘南は延長後半4分に、ボラが高い位置でボールを奪い、右サイドの藤井に展開。藤井が中央に戻したボールを安藤がシュート。ゴール前でボラに視界を塞がれながらも、GK村山が反応し、ゴールを守り切った。府中はFPロドリゴが遠目からのシュートで湘南ゴールを脅かしたが、GK遠藤が立ちはだかった。このまま3-3で試合は終了し、PK戦で決着をつけることとなった。

 湘南はGKを冨田に代えてPK戦に臨む。この采配が的中した。冨田は府中の1人目、2人目を連続ストップ。その後、3-3でサドンデスに突入したが、7人目の宮田のシュートも防ぎ、PK戦を5-4で制した湘南が準決勝に名乗りをあげている。
(取材・文 河合拓)
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