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[Fリーグ]イゴール加入の町田、開始8秒で失点も逆転で北海道を下す

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[6.15 Fリーグ第1節 北海道1-3町田 代々木]

 Fリーグは15日、7シーズン目の開幕を迎え、第2試合ではエスポラーダ北海道ペスカドーラ町田が対戦した。GKイゴールを補強し、守備力の強化がはかれたはずの町田だったが、出鼻をくじかれる。開始8秒でFP水上玄太に先制点を許し、いきなりビハインドを背負う。それでも前半3分にFP永島俊のゴールで同点に追い付くと、同11分にはFP金山友紀が逆転ゴールを叩き込んだ。後半16分にもセットプレーからFP篠崎隆樹がゴールを決めて、点差を広げた町田は、パワープレーに出た北海道にもしっかりと対応。逆にFP鈴木裕太郎のファウルを誘い、2枚目の警告で退場に追い込んだ。数的優位を生かした町田が3-1で逃げ切り、開幕戦で白星を挙げた。

 この試合のマン・オブ・ザ・マッチには、2点目のゴールを決めた金山が選出された。35歳のベテランは「開始何秒かで失点して、本当に入りの悪い試合をしてしまいましたが、すぐに得点を返せたことが大きかったですし、全員が最後までハードワークできたことが勝因だと思います」と、試合を振り返った。自身のゴールについては「大地がよく見てくれていて、中で合わせるだけでした。半分は大地のおかげ」と、昨季までのキャプテンに感謝し、最後は「今まで思うような結果が出ずにここまで来たのですが、今季こそは勝利にこだわって、1試合1試合全力で戦いたいと思います。また会場に足を運んで応援をよろしくお願いいたします」と、サポーターに呼びかけた。

 試合は序盤から激しく動く。キックオフから8秒、北海道はゴール前の密集から水上がゴールを決めて先制すると、前半3分には町田も永島がボレーシュートを決めて、試合を振り出しに戻す。ここからは町田のペースで試合が進むが、北海道もGK関口優志が好セーブを見せて、追加点を許さない。

 それでも前半11分、攻め続ける町田はFP大地悟が右サイドから折り返したボールを、金山がゴールにたたき込み、逆転に成功。さらに同13分には北海道が早くも6つ目のファウルを犯し、町田に第2PKが与えられた。しかし、横江のシュートはGK関口に阻まれ、追加点を挙げることはできなかった。

 その後も町田の猛攻が続く。前半16分には森谷が強引な突破からのループシュートでゴールを狙ったが、ボールはクロスバーを越えて行った。同18分にはFリーグ最年長41歳のカリスマFP甲斐修侍がゴール前で突破を見せ、左足でシュートを放ったが、ゴールライン上でFP高山剛寛がブロックした。前半は町田が優勢に試合を進めたまま、折り返している。

 後半、最初にチャンスをつくり出したのは、北海道だった。FP鎌塚聖哉からのパスはGKイゴールの横を抜けてゴール前の鈴木に届いたが、鈴木のシュートはゴール右に逸れて行き、同点に追い付くチャンスを生かせない。同5分にも北海道は右サイドからFP阿部恭也が強烈なシュートを放つが、ボールは右ポストを叩いた。

 イゴールの加入に注目が集まる町田だが、下部組織から昇格したFP中井健介も、気の利いたプレーを見せる。後半9分には数的不利の状態で、相手のパスをカットしピンチを未然に防いだ。ここから試合はやや膠着する。後半14分には町田のFP狩野新が最後尾でミスをし、ボールを失う。鈴木がGKイゴールと1対1になったが、ここはFリーグ2009のMVPに輝いた守護神がピンチを防いだ。

 後半16分には町田が分厚い攻撃を見せ、北海道ゴールに迫る。最後は中井がゴール前で倒されてFKを獲得する。このFKからのサインプレーで、篠崎が追加点を挙げて、町田がリードを2点に広げた。北海道はGKを鎌塚にしてパワープレーを仕掛ける。しかし、後半19分、高い位置でボールを失った鈴木が、速攻に出ようとした金山をファウルで止める。これが6つ目のファウルで町田に第2PKが与えられ、さらに鈴木はこの日2枚目のイエローカードを受けて、退場となった。この第2PKは横江が右に外したが、残り時間を数的優位で戦った町田は、しっかりとボールを回して時間を使い、3-1で勝利を収めている。

(取材・文 河合拓)

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