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[Fリーグ]古巣・府中にリベンジ成功 大分・伊藤監督「有言実行の素晴らしい選手たち」

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[11.9 Fリーグ第20節 府中2-6大分 府中総合]

 指揮官の並々ならぬ気持ちは、選手たちにも伝わっていた。Fリーグは9日に第20節を行い、バサジィ大分はアウェーで府中アスレティックFCと対戦し、6-2で勝利した。昨季まで府中で指揮を執り、今季から大分の監督に就任した伊藤雅範監督にとっては、初めてアウェーチームの一員として府中市立総合体育館で戦うゲームだった。

 試合後、伊藤監督は「いろいろな気持ちもありますけれど、まずは勝ってホッとしたなと。名古屋戦の後というのは、難しい気持ちのゲームになるなと、あらためて思いました」と、前節、名古屋に勝利した府中について触れながら、短く試合を総括した。

 前半5分間で2ゴールを挙げて、試合展開を有利にした大分は、前半だけで堅守が売りの府中から4ゴールを記録。後半も隙を見せずにパワープレーから2ゴールを重ね、府中から今季最多の6ゴールを挙げた。アウェーで完勝した選手たちを、伊藤監督は称える。

「僕も忘れていないのですが、7月7日の第5節、ホームで(府中に)0-4で負けるという非常に悔しい思いもしました。(今日は)『勝てばいいかな』と僕は思っていたのですが、選手は4点差をつけられてホームで負けていたので、『今日は4点差つけて勝ちたい』と、欲張りなことを言っていました。それを有言実行するのは、素晴らしい選手たちだなと思いました」

 この話を大分の選手たちに振ると、実際は逆だったことが分かった。FP北嶋佑一が「ミーティングで、監督が一番熱くなっていましたよ。(4点差をつけようと話したのは)監督っす(笑)」と言えば、ハットトリックのFP仁部屋和弘も「一番、気合いが入っていたのは監督ですね。やっぱり古巣なんで」と、その心を汲んで戦ったことを認めた。

 後期2連勝と、大分は良いスタートを切ることができた。伊藤監督は、古巣についてチクリと言及しつつ、「僕らは優勝候補じゃないので」と慎重な姿勢を崩さない。

「僕らは優勝候補じゃないので、プレーオフを目指して一戦一戦頑張っていくだけです。逆に府中は名古屋を倒したことからもわかりますが、後期の優勝候補です。外国人選手も3人抱えていて、当然、チームとしても上の順位を狙っていると思う。僕らは僕らの目標に向かって突き進んでいきたいです。ここで2連勝したということよりも、自分たちの目標の順位にしっかりと行けるように、一個一個勝ち続けていきたい。大事に戦っていきたいですね。負けることは絶対にあると思いますが、大事にやっていきたいなというのが、正直な気持ちです」

 前期リーグを5位で終えた大分だが、第2クールの成績は6勝1分2敗。その流れを維持したまま、後期も開幕2連勝と好スタートを切った。チームをプレッシャーから守ろうとする指揮官の下、大分は更なる快進撃、そしてプレーオフ進出以上の結果を目指す。

(取材・文 河合拓)

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