ゲキつよっ!!vol.2「フットサルとサッカーはおいしい関係!?」
解説者の元サッカー日本代表北澤豪氏による新コラム「ゲキつよっ!!」。日本代表からJリーグ、海外サッカー、育成年代、フットサル、障がい者サッカー……、幅広くフットボールに精通する北澤氏が、テレビでは語り切れない魅力を綴っていきます。
10回目を数えるFリーグのシーズンが開幕し、1か月が経とうとしている。今年の全日本フットサル選手権を制し、今季のリーグ優勝候補の一角に挙げられるペスカドーラ町田だが、森岡薫選手、イゴール選手という攻守の柱がケガで欠場していることもあってか、本調子とはほど遠い。開幕節でその町田に完勝したのはデウソン神戸。まるでトーナメントのように気合いが入っていて、リーグ戦でこれだけの試合が見られたことはファンの方にも楽しんでいただけたと思う。
12チームあるクラブの中で、おもしろい“チームカラー”を打ち出しているのが、エスポラーダ北海道だ。ルーキーの松野史靖選手、内田洸介選手は高校のサッカー部から加入した選手。メンバーの固定化による高齢化がフットサル界のひとつの弊害になっている中で、将来を見据えた試みといえる。もともと北海道は雪の降る冬には、サッカー部がフットサルをやる土壌がある。室蘭大谷高(現北海道大谷室蘭高)に足下がうまい印象があるのはそのためだ。北海道のチャレンジは、来年のAFC U-20フットサル選手権、そしてその先の2020年フットサルW杯を目指す日本フットサル界にとっても意義のあることだろう。
日本フットサル連盟会長に小倉純二さんが就任してから風向きは変わりはじめ、小倉会長がクラブに若返りを薦めると各クラブが実践するようになってきた。開幕戦には田嶋幸三日本サッカー協会会長も視察に訪れていたが、田嶋会長とはフットサルとサッカーは相互関係であるべきだという話をしている。日本サッカー界が抱える決定力不足の解決策のひとつとして、育成年代にフットサルもプレーすることが挙げられると思う。大学生でもサッカーとフットサルを両立している選手が増えていると聞く。日本の現状を顧みると、非常に有益だと思う。サッカー選手はフットサルで個人技をもまれ、フットサル選手は「サッカー選手に負けられない」といい競争が生まれるはずだ。
今季のFリーグの特徴のひとつとしてファウルの基準を緩和したことが挙げられる。これは観ている人の目線に立った試みで、プレー時間を長くすることで、よりスピーディな試合展開にすることを狙いとしている。リーグ戦は代表チームの強化のためのもので、つまらない試合を重ねていっても強くはならない。リーグ戦が盛り上がらなければ、日本フットサル界の発展は望めない。
高校でサッカーをしている息子がFリーグ開幕戦を観にきて「上手い!」と感動していたように、サッカー選手にとってFリーグの試合はより刺激的に映るようだ。Fリーガーたちの技術は本当に高い。現在リーグで首位を走るフウガドールすみだとは、昨オフにフットサルで対戦したことがある。自分も含めて三浦淳宏、福西崇史、鈴木隆行ら元サッカー日本代表を中心に現役Fリーガーも加えたチーム編成だったが、本気ではないすみだと五分の戦いだった。しかも、テクニックで挑んでも勝てないから、フィジカルで勝負。それほど技術の差は感じられた。プレイヤーとしても、ファンとしても、フットサルは価値が高い。10年目のFリーグに、改めてそう思わせられている。
▼関連リンクゲキつよっ!! by 北澤豪一覧へ
10回目を数えるFリーグのシーズンが開幕し、1か月が経とうとしている。今年の全日本フットサル選手権を制し、今季のリーグ優勝候補の一角に挙げられるペスカドーラ町田だが、森岡薫選手、イゴール選手という攻守の柱がケガで欠場していることもあってか、本調子とはほど遠い。開幕節でその町田に完勝したのはデウソン神戸。まるでトーナメントのように気合いが入っていて、リーグ戦でこれだけの試合が見られたことはファンの方にも楽しんでいただけたと思う。
12チームあるクラブの中で、おもしろい“チームカラー”を打ち出しているのが、エスポラーダ北海道だ。ルーキーの松野史靖選手、内田洸介選手は高校のサッカー部から加入した選手。メンバーの固定化による高齢化がフットサル界のひとつの弊害になっている中で、将来を見据えた試みといえる。もともと北海道は雪の降る冬には、サッカー部がフットサルをやる土壌がある。室蘭大谷高(現北海道大谷室蘭高)に足下がうまい印象があるのはそのためだ。北海道のチャレンジは、来年のAFC U-20フットサル選手権、そしてその先の2020年フットサルW杯を目指す日本フットサル界にとっても意義のあることだろう。
日本フットサル連盟会長に小倉純二さんが就任してから風向きは変わりはじめ、小倉会長がクラブに若返りを薦めると各クラブが実践するようになってきた。開幕戦には田嶋幸三日本サッカー協会会長も視察に訪れていたが、田嶋会長とはフットサルとサッカーは相互関係であるべきだという話をしている。日本サッカー界が抱える決定力不足の解決策のひとつとして、育成年代にフットサルもプレーすることが挙げられると思う。大学生でもサッカーとフットサルを両立している選手が増えていると聞く。日本の現状を顧みると、非常に有益だと思う。サッカー選手はフットサルで個人技をもまれ、フットサル選手は「サッカー選手に負けられない」といい競争が生まれるはずだ。
今季のFリーグの特徴のひとつとしてファウルの基準を緩和したことが挙げられる。これは観ている人の目線に立った試みで、プレー時間を長くすることで、よりスピーディな試合展開にすることを狙いとしている。リーグ戦は代表チームの強化のためのもので、つまらない試合を重ねていっても強くはならない。リーグ戦が盛り上がらなければ、日本フットサル界の発展は望めない。
高校でサッカーをしている息子がFリーグ開幕戦を観にきて「上手い!」と感動していたように、サッカー選手にとってFリーグの試合はより刺激的に映るようだ。Fリーガーたちの技術は本当に高い。現在リーグで首位を走るフウガドールすみだとは、昨オフにフットサルで対戦したことがある。自分も含めて三浦淳宏、福西崇史、鈴木隆行ら元サッカー日本代表を中心に現役Fリーガーも加えたチーム編成だったが、本気ではないすみだと五分の戦いだった。しかも、テクニックで挑んでも勝てないから、フィジカルで勝負。それほど技術の差は感じられた。プレイヤーとしても、ファンとしても、フットサルは価値が高い。10年目のFリーグに、改めてそう思わせられている。
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